「びっくり」させる、させない
今週日曜日のTBSテレビ『がっちりマンデー』では、アレフ(北海道/庄司昭夫社長)が展開するハンバーグレストランの「びっくりドンキー」をレポートしていた。
アレフは、2010年8月現在、全国に311店舗を展開し、売上高367億円を計上する外食企業。トリノオリンピックスピードスケート男子500mで4位に入賞した及川佑選手が在籍(現在、アイススケート部は廃部)したことでも知られている。
「びっくりドンキー」の店名の由来は、多くの人々を思いがけない仕掛けで「びっくり」させたい。「ドンキー」は、ロバのようにノロマでも構わないので、一歩一歩着実に進んで欲しいという創業者の意思を反映させたものだ。
実際に、店舗は、外装、内装と工夫が凝らされている。とくに内装は、「手作りの温かさを表現したい」という思いで、スタッフ総出で手掛けてきた。個店ごとにテーマを決め、違う仕様でありながら、メニューや味付けは、全国統一するというユニークな経営で快進撃を続けている。
お客を「びっくり」させることを店名にすることが非常に興味深い。逆に言えば、お客を「びっくり」させることは、それほどまでに難しいということなのだろう。
ところで、同じ「びっくり」でも、私は、仕事上ではパートナーに「びっくり」させないで欲しいと常に思っている。
「びっくり」させられることのほとんどは悪い知らせだからだ。
イトーヨーカ堂(東京都/亀井淳社長)の創業者である伊藤雅俊さんの言葉に「前始末」というのがある。事前準備と段取りを徹底することを意味している。
「失敗のあと始末とは別に、失敗しないための前始末というのも大事ではないかと思います。失敗を極度に恐れる必要はありませんが、失敗せずにことが運ぶにこしたことはないからです」(『商いの心くばり』:講談社刊)。
さてさて、2つの「びっくり」を統合すると、“安全な絶叫マシーンづくり”を心掛けるといったところになるだろうか?
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