バロックジャパンリミテッド 代表取締役社長兼最高経営責任者 村井 博之
商品開発力と販売力を武器に、国内市場の深耕と海外展開を進める

2017/02/01 00:00
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いわゆるギャル系ファッションの代表的ブランド「MOUSSY(マウジー)」を展開するカジュアル衣料チェーンのバロックジャパンリミテッド(東京都)が、2016年11月に東証一部上場を果たした。自社で企画・製造・販売を行うSPA(製造小売)企業である同社は、商品力、販売力を武器に国内市場を深耕しながら、中国への出店拡大や米国進出など攻勢を続けている。どのような成長戦略を描いているのか、村井博之社長に聞いた。

聞き手=下田健司 構成=髙浦佑介(以上、本誌)


販売員出身のデザイナー、競争力のある商品を開発

バロックジャパンリミテッド 代表取締役社長兼最高経営責任者 村井 博之むらい・ひろゆき●1961年生まれ。84年立教大学文学部卒業後、北京師範大学留学。85年キヤノン入社。94年KAI LUNG CONSULTANTS社代表取締役社長就任。97年日本エアシステム香港現地法人代表取締役社長就任。2004年日本航空入社。06年フェイクデリックHD(現バロックジャパンリミテッド)入社。14年代表取締役社長兼最高経営責任者就任

──現在どのようなブランドを展開していますか。

 

村井 当社は2000年に「マウジー」というブランドからスタートしています。当時10代~20代前半の6人の創業者が「自分たちが着たい服を自分たちでつくりたい」という思いで「マウジー」を立ち上げました。

 

 2000年代は「マウジー」に加えて、03年に立ち上げたブランドの「SLY(スライ)」を軸とした当社のブランド群が、「ギャルブーム」をけん引しました。ギャルブームは、10~20代の女性を中心とした、個性的なカジュアル衣料品を好むファッションブームです。当社の販売員による着こなしや、顧客のニーズを的確にとらえた接客が話題となり、「カリスマ店員」という言葉が当時の流行語になりました。このような「ギャル市場」の盛り上がりにより、当社は創業から4年で売上高100億円を超える企業に急成長しました。

 

 12年には、それまでターゲットとしていた「ギャル市場」とは異なる、30代以上の女性をターゲットとした高級ラグジュアリーブランド「ENFÖLD(エンフォルド)」を立ち上げました。当時は「ギャル向けファッションのバロックに高級ラグジュアリーブランドはできない」と言われましたが、伊勢丹新宿店でフロアトップの売上を達成するブランドに成長しました。

上:主力ブランドの「マウジー」右下:中国の合弁事業「バロックチャイナ」の「スライ」ブランドを扱う店舗上:主力ブランドの「マウジー」は、SPAによる競争力の高い商品の開発と「カリスマ店員」による販売力で、2000年代の「ギャルブーム」をけん引した
右下:中国の合弁事業「バロックチャイナ」の「スライ」ブランドを扱う店舗。中国のオリジナル商品を約4割揃える
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──15年1月期は売上高625億円、経常利益率3.7%でした。16年1月期の業績はいかがでしたか。

 

村井 売上高は688億円で、15年1月期を63億円上回りました。経常利益率は8.9%で、ほかの衣料品チェーンを大きく上回っています。

 

 店舗数は16年10月現在、国内が360店舗で、海外店舗は186店舗となりました。海外の内訳は、中国176店舗、香港・マカオ8店舗、米国2店舗です。

 

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