日本能率協会 理事長 中村 正己
40回目を迎える「FOODEX JAPAN 2015」アジア食市場の“ハブ”として日本からの輸出も視野に入れる!
日本の経済成長とともに規模は拡大
──FOODEX JAPANは、国内から約1000社、海外から約1800社が出展するアジア最大級の食品・飲料専門展示会に成長しました。日本経済の発展と共に歩んできた展示会です。
中村 私が日本能率協会に入職したのは、ちょうどFOODEX JAPANの立ち上げと同時期でした。当時、東京都中央区晴海にあった東京国際見本市会場で「国際ホテル・レストラン・ショー」の中の特別展示企画としてFOODEX JAPANはスタートしました。
時流に乗ったこともあるのでしょうが、年を経るごとに規模が大きくなっていきました。1976年の第1回には163社だった出展企業が、第10回には552社となり、第15回を迎えた90年には会場を新設されたばかりの幕張メッセに移し、現在のようなかたちの展示会になりました。
FOODEX JAPANを企画した当時のマネジャーは、最初から国際的な展示会をめざしていました。自ら鞄一つで世界中を飛び回って、出展国を少しずつ増やしていきました。その後、彼のパッションをわれわれがしっかりと引き継ぎました。毎年1ヵ国、2ヵ国と出展国が増えていく。それは何にも代えがたい達成感でした。
97年から98年にかけて、赤ワインが大きなブームとなりましたが、実はFOODEX JAPANがこのブームの火付け役だと言えると思います。というのも、ブームに先駆け、89年に、特別企画の「International Wine & Spirits Fair」を実施し、世界の未輸入ワインの集中展示と特別セミナーを開催したからです。FOODEX JAPANには以前からイタリア、フランスを中心としてワインを出展いただいてきましたが、この頃からオーストラリアや南米のワインも出展されるようになってきました。今や、海外から約300社がワインを出展しています。こうしてみると、ワインが日本の市場に普及するうえでFOODEX JAPANが果たした役割は大きかったと自負しています。
ワインに限らず海外からの食材、食文化を幅広く楽しめるようになり、日本人の食生活が豊かになっていきました。それにもこの40年間、貢献し続けてきたのではないかと思っています。
どの業種でもそうであると思いますが、事業で重要なことは半歩前を行くことです。展示会を主催するわれわれ自身が半歩前を歩くためには、世界各地の出展者に会って対話を続けることが何よりも重要だと思っています。