QVCジャパン 代表取締役社長 佐々木 迅
独自商品を増やし、「究極の対面販売」に磨きをかけて成長を図る!

2015/01/15 16:00
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常時2万4000アイテムの商品を販売

──スポットのテレビショッピングは目玉商品をメーンに販売している印象ですが、QVCは根本から異なる。

 

佐々木 そうです。当社はジュエリーや衣料品、ヘルス&ビューティケア(H&BC)、食品など常時2万4000アイテムを取り揃えていて、そのなかから好きな商品をいつでも購入することができるようになっています。

 

 

 当社には約1680人の従業員がいます。「カスタマーコンタクトセンター」と呼ぶコールセンターや配送センターの運用、商品の在庫管理や生放送の番組制作・放送を行っていますから、それだけの人員が必要になります。そしてお客さまに繰り返し利用していただける“お店”になることに注力しています。

 

 当社のお客さまは40~60代の女性が中心で、女性の利用が90%以上を占めます。1日のなかにはピークタイムがいくつかあり、大まかに午前7時~10時、夕方の17時前後、そして夜の22時~25時が比較的多くのお客さまが番組を観ています。

 

 最も視聴者が多いのが午前0時からの番組です。そこではその日限りの目玉「TSV(TODAY’S Special Value)」商品の第1回目の紹介が行われます。ですから、多くのお客さまがどんな商品なのかを確認するために観ています。

 

 「TSV」商品は1日に数回紹介しますが、基本的には番組ごとに異なる商品を毎日販売しています。

 

 お客さまは1回の注文で平均2個弱を購入します。利用単価だと平均1万2000円前後になります。送料がかかりますから、いつも利用している健康食品などがなくなるタイミングで“ついで買い”も多くあります。

 

 注文方法はいくつかあり、「カスタマーコンタクトセンター」にお電話をいただいたり、インターネット経由でもオーダーできるようになっています。

いろいろな商品がまんべんなく売れることを重視

──面白いビジネスモデルだけに、品揃え(=マーチャンダイジング)は難しいのではありませんか。

 

佐々木 そうですね。とくに留意しているのは、特定の商品やカテゴリーに偏らないようにすることです。

 

 創業直後は、ジュエリーの比率が高く、その後、健康食品、衣料品などが増えていきました。当然、商品にはブームのようなものもありますが、何か1つの商品を大量に販売するようなスタイルはとっていません。むしろ、いろいろな商品をまんべんなく売ることによって、売上を積み重ねていくことを重視しています。

 

 QVCは米国やイギリス、ドイツ、イタリアでも同様の事業を展開していますが、品揃えや売れ筋は各国によって異なります。たとえば米国はDIY(Do It Yourself)やアウトドア関連の商品が多く売れますが、日本は住環境や生活スタイルが異なるので米国ほどは売れません。日本のQVCは、ほかの国と比べてジュエリーの比率が高いことが特徴です。

 

──品揃えに携わる従業員は何人くらいいるのですか。

 

佐々木 当社のバイイングチームには約100人が在籍しています。百貨店や各種専門店、総合スーパーなどで仕入れに携わってきたメンバーが大半です。

 

 当社のビジネスモデルは、ケーブルやCS、BSなどのテレビ局の番組枠を押さえたり、配送センターの運用や番組制作など、売上に関係なく発生する費用がとても大きいことが特徴です。

 

 ですから、事業リスクを負っている分、商品の在庫リスクは取っていません。現在販売している2万4000アイテムは委託販売が中心になります。

 

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