シジシージャパン CGCグループ代表兼社長 堀内淳弘
家庭での料理を支援し、食品スーパーの存在意義を発揮する!
2015年度にグループ年商5兆円をめざす
──さて、先ごろ、イオン(千葉県/岡田元也社長)がピーコックストア(大阪府/川口高弘社長)を傘下に収めました。SM業界の再編をどう見ていますか。
堀内 再編はまだまだ進みます。売上高が1兆円や2兆円の大手チェーンになると、たとえばバイイング1つとっても、味噌、飲料などに担当分けされています。食品でバイヤーが1人しかいないような小さな企業は、大手に太刀打ちできないでしょう。
PB開発にしても、結局のところ販売力に左右されます。販売力が仕入力につながるわけですから、商品開発するにもある程度の年商規模がどうしても必要になります。
SMは、少なくとも年商300億円以上ないと、地域で存在感を発揮できません。商品開発の観点からすれば、年商1000億円以上ないと難しいでしょう。
地域のSMは、CGCグループのような組織に入らないと生き残れない状況になっています。そういう意味では、今年はCGCグループにおいてもいろいろな動きが出てくるかもしれません。
13年度、CGCグループは創立40周年を迎えました。企業数は228社(13年4月現在)で、グループ年商総額4兆2658億円です。大手小売グループの総合力に対抗するため、15年度にはグループ年商規模5兆円の達成をめざしています。また、現在の規模を生かして、PB開発を強化したいと考えています。
──PB開発の強化ポイントは何ですか。
堀内 CGCグループでは、今年のPB開発の最重要施策に「CGCパワー100」を据えました。「CGCパワー100」とは、圧倒的な競争力を持ち、開発ストーリーが語れる商品を指します。このような商品を100アイテム持つことを目標に開発を急いでいます。
圧倒的な競争力を発揮するために、生鮮・日配品の年間30億円以上、グロサリー・日配品で同10億円以上の販売力のある単品の開発をめざします。まずは年間販売額10億円の達成ですが、現時点で10億円商材は28アイテムあります。
販売規模にこだわるのには、理由があります。商品の品質や安全を確保しながら採算ベースに乗せるには、相当規模の生産量と販売量が必要だからです。
たとえば、「CGCパワー100」の対象商品の1つに鶏卵「CGC森林そだち」があります。03年に開発した商品で、CGC開発商品の中でも屈指の供給高を誇る商品です。種鶏から育雛、採卵、最終製品までを一貫管理し、生産履歴を管理できることが特徴です。これを可能にするには、最低でも100万羽の養鶏が必要なのです。そして当然ながら、100万羽が生む卵を売り切り続ける販売力も必要です。「CGC森林そだち」は現在、全国で年間計4300万パックの販売規模があります。
もう1つの最重要施策が「EDLP100」です。DgSやディスカウントストアに対抗するための価格訴求型商品の開発を強化します。現在、「断然お得」「ショッパーズプライス」の価格訴求型ブランドがありますが、これらブランドから購買頻度の高い生活必需品100アイテムをまず目標に開発を進めていきます。
いずれにしても、小売業界のサバイバル競争は今年が正念場ととらえています。それだけの強い危機感があります。スピード感を持ってグループを運営していきたいと考えています。