ジーユー代表取締役社長 柚木 治
年商1兆円をめざし、ユニクロの2倍のスピードで成長する!
──海外出店は考えていますか。
柚木 14年には1号店を出す計画です。アジアが有力ですが、まだ決定はしていません。北米や欧州にも出ていきたいと思っていて、どこから始めるか今、検討中です。ただ、日本で磨いた、日本のDNAを持ったファッションは、アジアにいちばん合うと思っています。
──ネット消費が拡大しています。ネット通販事業について計画はありますか。
柚木 当社のネット通販の売上は全体の10%もありませんが、10%以上になると見ています。実店舗を利用するすべてのお客さまに、ネットでも買ってもらいたいと思っています。ネットを利用されると、年間購買額が増える傾向があります。実店舗とネットのカニバリよりも相乗効果のほうが大きいのです。
グローバル化でユニクロを追い越せる?
──事業が拡大していく中で、人材の採用も重要になりますね。
柚木 新卒と中途の両方で人材は採用しています。新卒は、11年春に1期生、12年春に2期生が入社しました。100人ずつ採用しましたが、13年春は120人を予定しています。その後は倍増させていきたいと思っています。
──求める人材像はありますか。
柚木 出来上がっている人よりは、伸びしろがある人、これから伸びそうな人を求めています。業界外の人材も大歓迎です。それから、海外志向の強い人。そして何よりもファッション好きな人ですね。
──新入社員はどのように育成していくのですか。
柚木 新卒の場合は全員必ず店長になってもらっています。店長の仕事には、会社のすべての機能が凝縮されています。店長を務めたあとは引き続き店長を続けたり、商品やマーケティングなどの部署に異動するというかたちが一般的です。
──ちなみに、ジーユーの社内公用語は英語ですか。
柚木 制度上はそうです。外国人がいれば英語にします。ですから、海外展開を機にグローバル化します。ユニクロに比べるとグローバル化が遅れているのですが、外国人の採用比率を増やしていけば、追い越せると思います。
──グループの事業会社間の人事異動はありますか。
柚木 各事業会社で採用はしますが、個人の成長と会社の戦略という意味で人材交流はあります。ジーユーの場合は採用して間もない人が多いので、ジーユーからユニクロに行ったケースはまだありませんが、今後は増えていくでしょう。
──最後に、第2のユニクロに向けての抱負を聞かせてください。
柚木 1つは、ユニクロから生まれて、せっかくユニクロのノウハウやインフラを活用しているのですから、ユニクロの2倍のスピードで成長するということです。
もう1つは、価格帯やマーチャンダイジングからすると、ジーユーはものすごくポテンシャルがあります。10年後、最低でも1兆円をめざしたいと思っています。