ジーユー代表取締役社長 柚木 治
年商1兆円をめざし、ユニクロの2倍のスピードで成長する!
──調達先を開拓する組織はユニクロと別なのですか。
柚木 生産部隊は同じ組織です。ネットワーク、情報、ノウハウをここが持っています。同じ組織の中にユニクロチーム、ジーユーチームがあって、情報やノウハウを共有しながら動いています。その結果として、別の素材、別の縫製工場を使うことになっています。
──生産地は中国以外の国も増えているのですか。
柚木 中国、バングラデシュ、インドネシア、カンボジア、ミャンマーなどがあります。割合では中国がいちばん高い。中国以外での生産地を増やすスピードは、ユニクロより早いですね。
──やはり生産コストが安いからですか。
柚木 ケースバイケースです。総じて安いとは言えますが、中国は人件費が高くても、効率がいい場合もあります。ただ、人件費は上昇傾向にありますから、将来を考えて中国以外を増やすことも検討しています。
出店スピードを加速、店舗も大型化
──12年8月期(前期)は売上高約580億円、営業利益約50億円と好業績でした。振り返ってみていかがでしたか。
柚木 出来過ぎです。好調の要因はいくつかあります。低価格ファッションはこれまで、海外勢の専売特許みたいになっていて、日本人が欲しいような、かわいい服は決して安くなかったと思います。けれども、誰も安くしようとはしなかった。そこをジーユーが開拓したのです。もう1つは、旬のタレントを起用したキャンペーン、そして990円のゆるパンやマキシワンピースのキャンペーンですね。これがヒットした。この2つがいちばん大きい要因でしょう。
──前期は35店舗の出店でした。今期の出店はどれくらいになりますか。
柚木 今期は60店舗の出店を計画しています。手薄だった都市部に出していきますし、郊外のショッピングセンター(SC)やロードサイドにも出店します。この3つの立地に出していきます。
とくに、ポイントはロードサイドです。ロードサイドでトレンドファッションは売れないのではないかという懸念もありました。しかし今のところ、既存店売上の伸びは、SC・ファッションビルとロードサイドでほぼ同じです。ですから、今後も両方に出店していこうと考えています。
──中期的にはどのような出店構想を持っていますか。
柚木 今期は60店ですが、来期からは70店にしていく計画です。併せて、売場面積は140坪くらいが標準だったのですが、スクラップ&ビルドをして200坪以上にしていきます。500坪クラスの大型店も増やしていきたいと考えています。