メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン 代表取締役社長 石田隆嗣
「お客さまと一緒に」をキーワードに顧客のビジネスの発展をサポート!

2010/10/26 00:00
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 簡便商品については、ご指摘の通り、徐々にではありますが品揃えが増えています。背景には、この不況下で経費を削減しなければならなくなったお客さまの事情があります。たとえば、「このメニューは自慢できる看板メニューだが、コストは下げなければならない」と悩んでいるお客さまがいたとします。そこで当社は何か手助けできることはないかと考え、たとえばカット野菜や皮を剥いた根菜類などを提案します。また、どのようなメニューをおいしく安く提供できるのか、原価や利益まで計算して提案します。われわれが提案したメニューでお客さまが成功することがいちばんの喜びなのです。

 

 従業員一人ひとりがお客さまのために何をしたらいいのか、何をすればお客さまに付加価値を提供できるか、利益になるのかということを常に考えているのです。

顧客の満足は従業員の満足から生まれる

──そうした姿勢を具現化するには、従業員の育成が何よりも重要になります。

 

石田 そうです。お客さまの満足度の向上を図ることは当然ですが、それは従業員の満足度と密接に結びついています。従業員の育成に力を入れ、プロのお客さまに的確に提案できるようなレベルにまで従業員の力を高める。それがメトロの社員としての喜びや誇りになり、ひいてはお客さまの満足につながるのです。

 

 当社にはメトロ本社と共同でつくった「ハウス・オブ・トレーニング」という研修プログラムがあります。お客さまのニーズは何かという思考訓練から始まり、品揃えの組み立て方や商品の知識まで全従業員が幅広く学ぶことができます。また、各店舗ではOJT(On-the-Job Training)も行われています。さらには、海外で行う研修も多数あり、語学を含め、国外でも通用する人材を育成する態勢をしっかりと整えています。

 

──そうすると新規の出店はある程度人材が育っていないとできない。

 

石田 そうです。従業員を育てずに出店ペースを速めてしまうとお客さまをがっかりさせてしまいます。当社はきめ細かなサービスを提供していますので妥協はしません。規模の拡大よりもお客さまから確実に信頼を得て着実にやっていきたい。昨年度は2店、今年度は高崎店を含めて3店を出店します。今後も同じかそれ以上のペースで出店していきたいです。

 

──今年度で店舗数は9店となり、商品調達や物流の効率化が進みますね。

 

石田 そうです。やっと物流の効率化やコスト削減に着手するところです。東京都にある物流センター─自前ではなく3PL(アウトソーシング)─の利用率を高めていきます。

 

 商品の調達は、メトログループのグローバルネットワークを活用できる規模になりつつあります。ネットワークを活用した海外からの商品調達は、現状ではまだごく小規模ですが、今年度で9店舗体制になりますので、当然直輸入を含めたグループのシナジーを今後ますます享受できるような態勢にしていきます。そしてインフラを整備しながら、今後は今までになかった品揃えや提案ができるようになると思います。

 

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