KKRパートナー/プライベート・エクイティ・グループ マイケル・カルバート
ダラーゼネラル再生の立役者に聞く!“障壁”を取り除けば、ヒトは前進できる
当社が投資を開始する前には、経営チームと膝を交えて話し合い、再建計画に合意します。その計画は、財務的な計画だけではなくて、将来像も重要な要素なのです。その将来像の実現に向かって、どのような工程表をつくり、どのように戦略を進めるかについて合意するわけです。
──経営陣が変われば、従業員も変わるのでしょうか?
カルバート 人は「物事をよくしよう」と思って毎朝、職場に出勤するのだと、私は信じています。そうした従業員に対して、われわれがオーナー側としてできることは、なるべく障害を取り除き、仕事をしやすい環境を整えることだと思います。障害物さえ取り除けば、人間は変化をし、進化していこうというモチベーションが出てくるものです。
──最終的にショッパーズ・ドラッグ・マート社の場合、再建して株式を売却するまでにどの程度の期間を要しましたか?
カルバート 投資期間は6~7年です。ただ、投資を決める最初の時点で、具体的な投資回収の計画が固まっているわけではありません。
株式を売却するのに適した時期が来たら売却するということです。平均的な投資期間は7~8年ですが、KKRの34年間の歴史を振り返れば18年にわたって投資し続けた例もありますし、1~2年で回収したケースもあります。それはケースバイケースですね。
ダラーゼネラルの企業風土と
小型店の市場性に注目した
──バラエティ・ストアのダラーゼネラル再建の立役者でもあります。ダラーゼネラルの再生は難しいのではないかと思っていましたから、驚きました。
カルバート ほとんどの人は、そう思っていたと思います。しかし、われわれは違った見方をしていました。
──着眼点の違いは、どこにあったのでしょうか?
カルバート KKRは、2004年からダラーゼネラルの再生に着手しました。私は当時、アメリカ小売業における大型店フォーマットは飽和状態になっているのに対し、小型店のような利便性を提供するフォーマットは未発達で市場性があると思いました。