バンドル販売とは何か?バンドル販売のメリットと行ううえでの注意点をわかりやすく解説!

読み方:ばんどるはんばい
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バンドル販売とは

バンドル販売とは、いくつかの、あるいは何種類かの商品をセットで販売することである。バンドル(bundle)は「包む、束ねる、抱き合わせる」という意味の英語だ。

同じ商品を複数束ねる場合も、違う商品を抱き合わせる場合も、バンドル販売の価格は単品で購入した場合の合計額よりも安く設定される。

バンドル販売のよく知られている例としては、ハンバーガーチェーンの「バーガー+ポテト+ドリンク」や、衣料品コーナーにおける「靴下3点セット」などがある。

消費者は「便利」「割安」というイメージからこうしたバンドル商品を選ぶことが少なくない。この顧客心理を利用してり上を伸ばすことを「バンドル効果」と呼ぶ。

バンドル販売のコツは、利益率の高い商品と低い商品を抱き合わせることだ。価格競争の激しい「牛丼並盛」をサラダなどの利益率の高いサイドメニューと抱き合わせることで、売上高と同時に利益も確保できる。

当然ながらバンドルされるのは、同一商品または関連商品である。

同一商品の場合は、消耗品や耐用期間の短い商品で「どうせ必要になるのだから、安いときに買っておこう」という先買い需要を喚起する。靴下のバンドル販売などはその典型である。

また、耐用期間の長い商品でも、一家に複数必要な商品はバンドル販売の可能性がある。たとえば同時に購入した2台のエアコンのうち1台が故障したとすると、「エアコン2台で20%オフ」というバンドルに「もう一台も、そろそろ寿命だから」と興味を持つかもしれない。

関連商品のバンドル販売は、消費者の使用シーンをよく考えて、便利な組み合わせ、提案のある組み合わせをする必要がある。言い換えると、ニーズに応える組み合わせと付加価値のある組み合わせが成功のポイントになる。

たとえば、スーツ販売チェーンの「就活セット」は、初めての就活に必要なスーツとネクタイやベルトなどの関連商品をセットで提案することで、就活未経験の消費者に買い忘れなく用事を一気に済ませる利便性を提供している。

バンドル販売のメリット

上記を含めて、バンドル販売のメリットをまとめると次のようになる。

  • 販売数が期待できるが利益率が低い看板商品に、利益率の高い商品を抱き合わせることができる→客単価アップと利益の確保
  • 売れ筋商品との組み合わせで、関連商品の在庫を減らせる
  • 先買い需要を喚起して、客単価を上げるとともに、在庫を減らせる
  • 商品ラインアップにテーマ性や提案を盛り込むことで、売場が活性化する
  • 脇役商品にスポットライトを当てることができる

バンドル販売の注意点

バンドル販売を成功させるポイントは、消費者にとって魅力的な組み合わせ・抱き合わせにすることである。

「用事が一度に片づく」「なるほどの提案がある」「楽しみが増す付加価値がある」など消費者のニーズとメリットを第一に考えることが重要だ。「在庫を減らす」といったような“売る側の都合”が表に出ると、消費者は食いついてくれない。

バンドルによる顧客のメリットや利便性の向上をPOPでキャッチーに表現するなど、売場でのプロモーションも重要だ。

バンドル販売の実例

飲食店のランチセットや靴下3足セットなど、バンドル販売の実例は枚挙にいとまがないが、高額のバンドル商品が好評価を得れば売上が大きく伸びる。自店の取扱商品で可能な「高額バンドル」がなにかは検討に値するのだ。

ここまで述べた中では「エアコン2台セット」や「就活セット」は高額バンドルの例である。

衣料品のバンドルでは、夏用ジャケットやパンツ、シャツ、靴下、靴を組み合わせた「クールビズセット」で大きく売上を伸ばした企業がある。「就活セット」も「クールビズセット」もいわば「初心者セット」で、使用シーンに慣れていない消費者に利便性を提供する付加価値が加わっている。

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