トライアル、西友と経営統合完了、小型スマートストアの関東展開など4戦略推進

　トライアルホールディングス（福岡県）は7月1日、西友（東京都）の全株式取得を完了した。

　西友の新社長には、トライアルカンパニー（福岡県）で取締役会長を務めていた楢木野氏が就任した。今後の戦略として①既存店改革②出店戦略③収益性の向上④リテールメディア展開の4つの軸を中心に進めていく方針だ。

　①既存店改革では、トライアルと西友の商品を相互展開する。まず、西友のプライベートブランド「みなさまのお墨付き®」を2025年秋口から全国のトライアル店舗で展開する予定だ。

　②出店戦略では、関東において「TRIAL GO®」の垂直立ち上げを行う。「TRIAL GO®」は、福岡を中心に展開されてきた都市型・近隣型の小型スマートストアであり、西友の店舗や製造拠点を活用して関東でも本格展開を開始する。既存店舗の周辺にサテライト店舗として出店することで、エリアシェアの拡大と強固なドミナント形成を図る。

　③収益性の向上では、関東の都市部に「TRIAL GO®」を展開し、周辺店舗ネットワークを活かした出来立て総菜の提供、省人化テクノロジーの導入、サイネージを用いたリテールメディアの活用を実現する。また、両社のプロセスセンター（PC）およびセントラルキッチン（CK）を統合し、グループ全体の生産能力と収益性の向上を図るとともに、プライベートブランドや総菜商品を全国で展開可能な体制の構築を目指す。

　④リテールメディアでは、買い物中に店舗内IoTデバイスを活用するマーケティング手法「リテールメディア」を本格展開する。今後は西友が保有する関東圏の店舗を含め、中部エリアの87店舗、関東エリアの195店舗へと段階的に拡大する見通しである。