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ウエルシア薬局、卸・物流会社と連携しサプライチェーンの配送効率化とエネルギー消費削減

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ウエルシア西関東RDC
ウエルシア西関東RDC(ウエルシア薬局 ニュースリリースより)

 ウエルシア薬局(東京都)は、卸売事業者のPALTAC(大阪府)とその調達先メーカー、物流会社のセンコー(大阪府)、日立製作所(東京都)と共同で、サプライチェーン全体の配送効率化およびエネルギー消費削減に向けた取り組みとして、情報連携基盤と物流センターでの入荷自動化設備を導入したことを発表した。

 2024年12月から2025年1月にかけて実証実験を行い、2025年2月より神奈川県綾瀬市の「ウエルシア西関東RDC」にて本格運用を開始した。

 物流業界では、トラックドライバーの労働時間規制により人手不足が深刻化する「物流の2024年問題」が顕在化している。メーカーの出荷予定の変動も大きく、入荷検品作業の効率低下が課題となっている。さらに、国土交通省は2030年度までに運輸部門のCO2排出量を2013年度比で35%削減する目標を掲げており、物流の省エネ化が求められている。

 こうした状況の中、ウエルシア薬局はこれまでにも他のドラッグストアと共同配送を行うなど、物流課題の解決に取り組んできたが、今回は卸やメーカーと連携し、サプライチェーン全体をデータで統合することで、配送効率向上とエネルギー消費削減を図る。

 今回の施策では、物流・商流データ基盤を活用し、メーカーからの事前納品通知情報を統合する「配送情報シェアリングプラットフォーム」を導入。物流センターと連携させることで、トラックのバース滞留時間削減や検品作業の効率化を実現する。また、移動式協働ロボットを活用し、入出荷業務のデパレタイズ・パレタイズを自動化する。これにより、配送業務の効率を向上させ、「ウエルシア西関東RDC」の納品車両のエネルギー消費量を導入前比で約7%削減することを目指す。なお、ドラッグストアの物流センターで物流・商流データ基盤を活用する取り組みは全国で初めてとなる。

 事業全体を統括するのはウエルシア薬局で、プラットフォームや移動式協働ロボットなどの自動化設備を参画企業に提供する。PALTACはウエルシア薬局からの発注を受け、メーカーへの出荷指示や入庫予定のプラットフォーム登録を担当。センコーは物流センターの運営および店舗配送を担い、自動化設備を活用した省人化や配送伝票の電子化を推進する。日立製作所はプラットフォームの構築や自動化設備の技術提供を行う。

「物流2024 年問題」の解決に貢献する今回の取り組みの全体像
「物流2024 年問題」の解決に貢献する今回の取り組みの全体像(ウエルシア薬局 ニュースリリースより)

 この取り組みは、経済産業省・国土交通省の「令和6年度 新技術活用サプライチェーン全体輸送効率化・非化石エネルギー転換推進事業」に採択されており、今後、ウエルシア薬局はより多くのメーカーからの入荷に対応し、全国の拠点への展開を進める。また、他のドラッグストアや卸売事業者にも参画を呼びかけ、業界全体への普及を目指す。

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