イオン CO2排出量実質ゼロの農業用ハウスの取り組みを開始
イオン直営農場の運営および農産物の生産委託に取り組むイオンアグリ創造（千葉県）は、同社が運営するイオン島根安来農場とイオン三重いなべ農場のイチゴの農業用ハウスで、化石燃料由来の二酸化炭素（以下：CO2）の排出量を実質ゼロ化する取り組みを開始する。
2023年9月より新設ハウスの基礎工事を開始し、2024年9月の稼働を目指す。
新設ハウスで先行してCO2排出量の実質ゼロ化に取り組み、将来的には既存ハウスにも取り組みを拡大する予定。
新設ハウスではハウス内の採光性と温度ムラを改善するほか、施設園芸用ヒートポンプを暖房機に使用する。
低コストで生産性の高い栽培体系を構築し、省エネと採算性の両立を目指す。
また、暖房機から発生するCO2を排煙から回収して貯留する「炭酸ガス貯留システム」を設置し、貯留したCO2をイチゴの株元に局所施用して光合成を促進する。
これら技術の組み合わせることで、従来の60％のCO2が削減できる計算となる。
残りの40％削減のため、ヒートポンプの熱交換効率の向上や、太陽光発電などによるエネルギーの自給自足の取り組みを平行して進める。
将来的には、イオン島根安来農場とイオン三重いなべ農場で年間約100トンのイチゴを生産する見込みで、東海、近畿、中四国エリアのイオンのグループ店舗へ供給する予定。
イオンは、「今後も自然資源の持続可能性と事業活動の継続的発展の両立を目指し、自然・生態系・社会と調和のとれた持続可能な農産物の調達に努めていく」としている。