米ギャップ、中華圏事業をEC支援のバオズンに売却 最大5000万ドルで
米カジュアル衣料大手のギャップ(GAP)は11月8日、中国本土を中心とする中華圏事業をEC(ネット通販)支援サービスのバオズン(宝尊電商、上海市)に売却すると発表した。
業績低迷が続くギャップは2020年10月、「ギャップ」ブランドの直営事業を戦略的に見直すと発表しており、今回の売却はその一環。中国では10年に1号店をオープン、現在200店舗以上を展開している。
バオズンの発表によると、買収金額は4000万〜5000万ドル(約58億〜72億5000万円)の範囲で調整する。バオズンはギャップの中国法人の全株式を現金で買い取る。買収手続きは、23年上期中に完了する予定。
バオズンはEC関連のシステムを提供するほか、ECサイトの運営、在庫管理や配送なども請け負う。米ナスダック市場に上場しており、ギャップの中華圏におけるEC事業を18年から支援してきた。
バオズンは事業買収後、ギャップの中華圏での店舗とECサイトの運営を続ける。ギャップとは、中華圏におけるギャップ製品の製造、マーケティング、販売に関する独占的な契約を結んだ。契約期間は20年で、当初の10年間は5年ごとに契約を更新する。
ギャップの22年2〜7月期の業績は、売上高が前年同期比10.6%減の73億3400万ドル(約1兆630億円)、営業損益は2億2500万ドルの赤字(前年同期は6億4900万ドルの黒字)、最終損益は2億1100万ドルの赤字(同4億2400万ドルの黒字)だった。ブランド別の5〜7月期の既存店売上高は、「オールドネイビー」が15%減、「ギャップ」が7%減、「アスレタ」が8%減と苦戦。高価格帯の「バナナリパブリック」は8%増と健闘した。