ウォルマート、ベンダーによる店頭在庫管理を支援するボルトシステムズを買収
米ウォルマート(Walmart)は8月5日、ベンダー(商品納入事業者)による店頭在庫管理を支援する米ボルトシステムズ(Volt Systems)を買収すると発表した。店頭の欠品を減らし、販売機会損失の削減につなげる。
買収条件は明らかにしていない。ボルトシステムズは、店頭での販売状況や在庫数量、商品の配送状況などを可視化できるシステムをベンダーに提供している。また、小売業向けにはベンダー管理システムも提供する。
米国のディスカウントストアや食品スーパーなどでは、小売業が加工食品や日用品などについて店頭在庫の補充管理をベンダーに委託しているケースが多い。ボルトシステムズは、ベンダーがPOSの販売データや店頭在庫データをもとに品揃え計画や販売予測、在庫適正化を行うためのシステムを提供している。
ウォルマートでは、店舗出荷型のEコマースの利用が伸びていることから、店頭での欠品が生じやすくなっている。店頭在庫を増やすなどの対応を取っているが、在庫が増えすぎると廃棄ロスにつながるため、ベンダーによる在庫マネジメントの精度を高める必要がある。このため、ボルトシステムズを買収し、ベンダーへのサポートを強化する狙いがある。
ウォルマートは、AI(人工知能)を用いてサプライチェーン上の在庫適正化を図るシステムを提供する米シンボティック(Symbotic)と提携し、全米42カ所の大型物流センターで同社のシステム導入を進めている。2022年6月に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類では、ウォルマートがシンボティックに出資したことが明らかになっている。