梱包資材・返品・廃棄削減!アマゾンが本格化するサステナビリティ×AIとは?
米アマゾン(Amazon.com)は、2040年までに事業活動における二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の達成をめざしており、19年に「気候変動対策に関する誓約(The Climate Pledge)」を立ち上げた。最近は、その一環としてAIを積極的に活用している。同社のワールドワイドサステナビリティー担当副社長であるカラ・ハースト氏は24年2月、公式ブログへの投稿でAIと機械学習活用の重要性を強調し、「地球が求めるスピード、規模、緊急性をもって気候変動対策の目標を達成するために役立つ」と説明した。
梱包資材を削減するAIモデルとは?
アマゾンが環境など持続可能な事業活動で注力している分野の1つが「梱包」だ。同社は19年にAIモデル「パッケージング意思決定エンジン(Packaging Decision Engine)」を導入した。これは、商品の形状や耐久性、顧客からのフィードバックを検討し、最適な梱包手段を決定するというものだ。ハースト氏によると、アマゾンでは15年以降世界で、200万トン以上の梱包資材を削減した。同AIモデルと他の梱包テクノロジーとの相乗効果により実現したという。
アマゾンは自社のロゴ入り段ボール箱を使わず、メーカーの商品パッケージのまま顧客宅に届ける取り組みも進めている。その一環として、追加梱包なしで輸送を実現するための商品パッケージを研究している。米ワシントン州シアトル本社近くの施設では、AIを活用してシステムの改良を図った。同施設では現在、様々な商品パッケージを対象に計19種の加圧、振動、落下試験を実施している。
人間よりも3倍効率的に破損を特定
物流施設では、棚出し・梱包段階の商品確認作業を