目的、立ち位置で効果段違い!ライブコマース4つの分類と成功するための使い分け方

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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3SNSによるライブコマース

 最近はInstagramなどのアカウントを保有している企業も多いため、フォロワーに対して最も手軽にライブ配信を行うことが可能なプラットフォームです。また、フォロワーをそのままライブに招くことができるという利便性から現在最も多く利用されています。

 SNSは多くのメーカーがInstagramやYouTubeのフォロワーを持っているため、それらを活用することができます。視聴しているユーザーが多い一方で、商品を購入したいと思って視聴している人は少ないため販売に繋げるためには工夫が必要です。

 特にInstagramはアパレルやコスメ関連の投稿が多いのですが、実際にはあまり販売には結びついていないことが多いのが現状です。見て楽しむというエンタメ要素が強いため、購入を意図して視聴する人が少なく、それが課題になっています。

 ただし再生される機会が多い分、商品の知名度を高めるためには非常に適したプラットフォームと言えるでしょう。

4ECプラットフォームによるライブコマース

 日本ではかなり早くから導入されており、代表的なのは楽天市場の「楽天市場ショッピングチャンネル(旧RAKUTEN LIVE)」ですが、最近になってECプラットフォーム系のライブコマースが閉鎖されることが多く、現在も展開しているのは楽天市場の他に、auPAYマーケットの「ライブ TV」・Qoo10の「Qoo10 Live Shopping」が挙げられます。

 楽天市場は、ライブコマースを一度中断したものの2022年11月から再開、auPAYマーケットも吉本興業と共にコンテンツを開発しており、比較的ユーザーも多くついています。Qoo10はセール時の盛り上がりが大きく、そのタイミングでライブコマースも行われているようです。

 ECプラットフォームも専用アプリ同様、集客の心配がなく各プラットフォームでそのまま販売まで繋がっているため販売に繋げやすいプラットフォームと言えますが、利用者・事業者ともに増加傾向にあるものの、そもそも買い物が目的で来客されており長時間のライブを見るという人は少ないため、他のプラットフォームとはまた違った配信内容を検討する必要があるでしょう。

まずはライブコマースの目的を明確化する

図表3最適なライブコマースの見つけ方(チャート)
図表3最適なライブコマースの見つけ方(チャート)

 ライブコマースで商品が売れるのはあくまでも最終的なゴールとして、まずはその過程での使い分け方を明確にする必要があります。

 SNSは認知がメーンとなるため、そもそもフォロワー数が数万以上などのブランドが活用するのに向いています。現状でフォロワーが少ない場合はコストをかけてインフルエンサーを活用するのも良いでしょう。

 フォロワーが獲得できない場合は、見ている人が多いところに露出する必要があるため、専用アプリが向いています。例えば地方でこだわって商品を作っているような商品力の高い企業にとっては強い味方となるでしょう。

 ツール系は集客のためにも資本力とブランド力が必要で、フォロワーが少ないと集客できないため、集客力や告知できる顧客リストを持っているか、広告で大量に告知するなど資本力が必要になります。

 これからライブコマースの活用を始めるのであれば、まずは専用アプリを使いはじめてみるのがオススメです。ECプラットフォームはすぐに大きな販売に繋がらない可能性はありますが、プラットフォームに出店していてライブコマースに未登録であればECでの売上を伸ばす目的で、補助的な使い方から始めてみるのも良いでしょう。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。
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