オンライン小売業の米Boxedが上場、SPACとの合併で、イオンが出資
オンラインで食品・日用品を販売するEC(インターネット通販)企業、米Boxed(ニューヨーク市)が特別買収目的会社(SPAC)との合併により、米ナスダック市場に上場する。SPACのセブン・オークス・アクイジションが6月14日発表した。
Boxedは、台湾系米国人のチェ・ファン氏が2013年に立ち上げた会社で、食品や日用品をケース単位などでバルク(大容量)販売するのが特徴。このため、「EC業界のコストコ」とも呼ばれる。2020年度の売上高は1億8700万ドル(約206億円)だったが、26年度には10億3100万ドルを見込んでいる。
Boxedでは購入金額が49ドルを超えると配送料は無料となる。年会費49ドルの「Boxed Up」会員になると、19.98ドル以上の注文で配送料が無料となり、購入金額の2%が現金で還元される。個人への販売だけでなく、オフィスなど事業所への配達も行っている。
イオンは2018年にBoxedに出資した。出資金額は明らかにしていないが、報道では1億1000万ドルとされている。また、Boxedは自社のECシステムをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として外販しており、イオンは21年1月、複数年のシステム利用契約を結んだ。
SPACは未上場企業の買収を目的とした会社で、株式市場から調達した資金などで企業を買収する。未上場企業はSPACとの合併を通じて、株式を公開できる。今回の合併で、セブン・オークス側はBoxedの企業価値を約9億ドルと評価、合併によりBoxedは3億3400万ドルの現金を受け取る。
合併後、セブン・オークスはBoxedに社名を変更し、上場を続ける。合併後の新会社は現BoxedのCEOであるファン氏が経営の指揮を執り、セブン・オークスCEOのゲーリー・マシューズ氏は取締役会議長となる。