米アマゾン、第2四半期は利益が予想下回る コスト拡大
[25日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムが25日に発表した第2・四半期決算は、利益が予想を下回った。第3・四半期については、配送時間の短縮などに向けた投資を拡大させる中、営業利益が前年同期から減少するとの見通しを示した。
決算発表を受け、アマゾンの株価は取引終了後の時間外取引で2%超下落した。
第2・四半期の売上高は20%増の634億ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の625億ドルを上回った。
部門別の売上高は、販売者向けサービスが23%増の120億ドル、広告などが37%増の30億ドル。クラウドサービス部門のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は37%増の84億ドルだった。AWSの売上高の伸びは2015年以降40%台を上回っていたが、今回若干鈍化した。
ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)は、売上高は、顧客のクラウド導入時期により変動するとしドルベースで「われわれは他社よりも急速に成長している」と説明した。
第2・四半期の利益は26億ドルと、予想の28億ドルに届かなかった。
第3・四半期については、営業利益が21億─31億ドルになると予想。前年同期は37億ドルだった。ファクトセットがまとめたアナリスト予想は44億ドルとなっている。
競合のウォルマートは商品を無料で2日で宅配するサービスを売り込んでおり、そうした競合に打ち勝つためにアマゾンは、有料会員制サービス「プライム」のメンバー向けに、さらに配送時間が短い「ワンデー・デリバリー」サービスを提供するため投資を拡大している。
同社のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで、ワンデー・デリバリーに言及し、売上高の伸びが加速していると説明した。
オルサフスキーCFOは、記者向け電話会議でワンデー・デリバリーに関連したコストは第2・四半期に想定していた8億ドルを若干上回ったとし、コスト増が第3・四半期の業績見通しに影響していると説明した。その上で、北米と欧州で今後数四半期、引き続きワンデー・デリバリーを提供していく考えを示した。
調査会社グローバルデータのニールサンダース氏は、配送時間の短縮に向けた投資は、アマゾンが他社との競争の影響を避けられる立場にないことを示していると指摘。多くの小売店舗は、アマゾン傘下のスーパー、ホールフーズよりもずっと多くの拠点を構え、顧客にその日のうちに商品を提供できるという強みを持っていると説明した。