「“消費のツボ”を押されば、財布の紐を緩めることができる」
三菱食品執行役員マーケティング本部長の原正浩氏の言葉だ。
食品卸最大手の三菱食品は、時代の変化に対応すべく事業領域を拡大している。なかでも現在力を注いでいるのが、取引先である小売業のサポートを目的とした市場調査・分析だ。
原氏は最近の興味深い調査結果を教えてくれた。
年収400万円未満、貯蓄の少ない世帯を対象に
「ふだんの生活のなかで気分はあがるのはどんな時?」という質問をしたところ
「買物で新鮮な野菜がお得に手に入ったとき」と
応える主婦が多かったというのだ。
そうだとすると、近年、食品スーパーが販売を強化している
産直野菜や採れたての地場野菜の提案は、
財布の紐が堅い低所得者層の利用満足度も高める効果があると考えられる。
分かっているようで実は認識しきれていない“消費のツボ”は、実は多く存在しそうだ。
こうした小売業をサポートする情報を掴み、売場での提案につなげることも
店舗の競争力を左右する重要な要素だと感じた。(O)