「生鮮を扱う“DNA”がない」

2018/07/13 10:30
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 ドラッグストア(DgS)の生鮮食品取り扱いについて、バローホールディングス(岐阜県:以下、バローHD)の田代正美会長兼社長はこのように話す。かねてより、傘下のDgS企業の中部薬品(岐阜県/高巢基彦社長)で総菜・生鮮強化型店舗DgSの実験を進めてきたバローHD。実験店の足元業績は好調としたうえでの発言だ。

 

 非食品を長く扱ってきたDgS企業には、保存がきかず、鮮度管理が難しい生鮮食品を扱うのが難しく、お客さまの支持は得られないというのが田代会長兼社長の考え。ただ、その一方で生鮮強化型店舗を展開するDgS企業の業績は好調だ。

 

 クスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長)の2018年5月期決算は、売上高が2212億円(対前期比17.2%増)、営業利益118億円(同11.1%増)と増収・営業増益を果たしている。

 

 生鮮の取り扱いこそないものの、食品強化型店舗の高速出店で食品スーパーを脅かすコスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)も好決算だった。昨日発表のあった18年5月期決算は売上高が5579億円(同11.0%増)、営業利益が227億円(同2.3%増)と、減益予想から一転、増収・営業増益となった。

 

 過去に田代会長兼社長は「業態はお客さまが決めるもの」とも発言している。食品強化型DgSは今後も消費者から支持され続けるのか。業態間の垣根が崩れつつあるなか、食品小売業界は大混戦の様相を呈している。(OT)

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