健康訴求だけでなく、華やかさ、ボリュームも!青果総菜にチャンスがある理由と作り方
「生鮮総菜」と一言で言っても、青果、精肉、鮮魚、それぞれの特性により商品化のポイントは変わってくる。ゆえに、素材ごとに具体的な総菜化のポイントを考える必要がある。本稿では「青果総菜」をテーマに、前提として日本人の野菜摂取の現状と課題に触れたうえで、①レシピの柔軟性で野菜摂取促進、②青果主役のチャンス総菜、③開発促進の仕組みづくり、の3点について述べていく。
日本人の野菜摂取の現状と課題
成人は1日350gの野菜摂取が必要だが、2019年の厚労省「国民栄養調査」によると平均摂取量は約270g、20代だと220~240g程度と、大幅な野菜摂取不足となっている。外食や中食中心の生活をしている層だけでなく、ある程度、家庭内調理が伴う層でも野菜不足が常態化しているのである。

諸外国と比べても問題は根深い。とくに中国、韓国などは野菜を多く食べている。おそらく、日本人の2倍は食べているのではないだろうか。米国の野菜に関する意識も変わりつつある。少し古いデータではあるが、食品メーカー大手のカゴメが17年に日米の男女1000人を対象に実施したアンケートの結果によると、「1日に摂取すべき野菜の摂取量を知っている」と答えた人はすべての年代で米国の方が多く、日本より野菜摂取に対する意識が高いという結果がでている。米国では国をあげての食育活動が定着し、若年層を中心に意識が変わりつつあるのだ。さらに野菜の加工品、ミールキット、蒸し野菜、野菜ジュースなどが日本より充実し、手軽に野菜をとれるメニューが豊富にある。
日本でもとくに調味料メーカーは、子供に簡便かつおいしく野菜を食べてもらうことに真摯に取り組んでいる。たとえば永谷園の「麻婆春雨」「煮込みラーメン」はどちらも人気商品だが、のど越しのよい春雨や麺と一緒に冷蔵庫にある野菜をたっぷり加えておいしく食べる商品設計になっている。同商品のアレンジレシピもクックパッドなどのサイトで多く取り上げられている。
ここからわかるのは、調理離れが進む厳しい競争下、調味料メーカーはここまで考えなければ戦えない、ということだ。青果総菜の拡大をめざす際はぜひ参考にしてほしい。
レシピの柔軟性で野菜摂取を促進!
では、
店長必読!売場づくりと販促の教科書 の新着記事
-
2025/08/30
「季節の前倒し」がカギに! 今冬の総菜MDの方向性を解説! -
2025/08/30
年末年始の鮮魚商戦、イベント・連休を押さえ販売計画の見直しを -
2025/08/30
専門家が徹底解説! 今冬の精肉MDは「逆算型」の販売計画が成否を分ける -
2025/08/29
年末商戦“以外”でも勝負を! 今冬の青果部門の売場づくりと販促の方向性 -
2025/08/16
GMSの理想像? ヨークベニマルの注目旗艦店「西ノ内店」を専門家が徹底分析 -
2025/06/30
オオゼキ、ベルクス、東急ストア……有力5チェーンがしのぎ削る“三軒茶屋戦争”が勃発!?
この連載の一覧はこちら [147記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-21速報!バロー関東1号店「横浜下永谷店」 オープン日の模様を徹底レポート
- 2025-11-21ベルクのディスカウントフォーマット「クルベ」、開店から2年超で見えた変化と進化
- 2025-11-26気づけば5店舗……クスリのアオキが出店増やす「スーパーのアオキ」の全容
- 2025-11-19上期絶好調のバローHD 関東進出直前、小池社長が明かした「攻め手」
- 2025-11-25オープンから2年超のクルベ その至近で競合するヤオコー、2店舗の関係から見えてきたこと
- 2025-11-21楽天撤退、ライフ参入 センター型ネットスーパー激動期へ
- 2025-11-17利益面に明暗……ライフ、U.S.M.H、アークスの中間決算を解説
- 2025-11-12ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
- 2025-11-22圧倒的集客力で激戦地を制圧!? 茨城タイヨーの「ビッグハウス」を大解剖!
- 2025-11-11意外にも”共存共栄”? 関西随一の激戦区・西宮の2エリアを徹底視察!





前の記事
