「時代の話は目先のいまの必要を満たすことが全部できてからすればいい」(荒井伸也)
私のところには、毎週「編集局ブログのPV数」なるレポートが届く。
「気づきのヒント」や「今日の一言」といった編集局が執筆しているブログのPV(ページビュー)数を多い順にランキング形式でまとめたものだ。
11月5日から11日までのレポートを見ると、私が数年前に書いた「荒井伸也」(元サミット社長、オール日本スーパーマーケット協会元会長)さんに関連するブログが軒並み上位に入っていた。
「これは荒井さんに何かあったに違いない」と必死でググっていくと、11月8日(木)の早朝4時からNHKラジオ第1で『ラジオ深夜便』のロングインタビューが放送されていたことが分かった。
https://www.youtube.com/watch?v=zJ7F8NtK7So
このところ、ご無沙汰だったのだが、割舌よくパンチの利いた“荒井節”を久々に耳にしてうれしく思った。
とくに、最終盤戦の以下の問答にはっとさせられた。
アナウンサー「小売業冬の時代、厳しい淘汰の時代と言われていますが、荒井さんからみた処方箋は何ですか?」
荒井さん「あまり難しく考えたらいけない。お客さまの求めているものはスーパーマーケットなら今晩のおかずや明朝のお弁当やおやつですね。それが何なのかを一生懸命考えたらおのずと答えは出る」。
「(しかし)そういうことから離れて、(いまは)多様化の時代だとか言っている。時代の話は目先のいまの必要を満たすことが全部できてからすればいい。それを満たせないのに時代もくそもあるものかと。それは私が昔から言っていたこと――」。
「いま目の前の問題をひとつひとつ解決していけばそれでいい」。
まさにその通りで、「アマゾンエフェクト」よろしく、自社の倒産理由をネット企業の台頭に求めるのがいまの風潮だ。
でもでも、その前に、自社のできることをお客様の立場に立ってやり尽くしているのか考え直してみたい。(C)