イータリーが原宿に進出 世界“最小”規模の実験店をオープン

2020/06/11 05:43
松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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6月9日、イタリア食品専門店のEATALY(イータリー)が原宿に国内3店舗目となる「EATALY HARAJUKU」(イータリー原宿:以下、原宿店)をオープンした。出店地は、240台のディスプレイを設置してリアルとバーチャルが融合する売場を演出した「ユニクロ原宿店」や、家具専門店「IKEA」の国内初の小型フォーマットなどのテナントのほか、賃貸マンションや貸ホールなども備えている原宿の新たな複合商業施設「WITH HARAJUKU(ウィズ原宿)」の3階。ファッションとカルチャーの中心地として知られる原宿で、イータリーはどのような売場づくりを行っているのか。写真とともに解説する。

イータリー原宿
イータリー原宿

売場面積最小店舗

 イータリーを展開するイータリー社は2007年、創業者オスカー・ファリネッティ氏が設立。同年、イタリア・トリノに1号店をオープンした。店舗は食物販と飲食スペースを兼ね備えた「グローサラント」型の業態で、現在はイタリア本国のほかアメリカやドイツ、フランス、ブラジルなど世界で約40店舗を展開している。

 日本でイータリーを運営するのは、イータリー社と三井物産(東京都/安永竜夫社長)の共同出資会社であるイータリー・アジア・パシフィック(東京都/西条真義社長:以下、EAP)で、153月に設立された。設立当初は飲食店事業を手掛けるきちり(東京都/平川昌紀社長)も含めた3社の出資会社だったが、きちりは18年にEAPの株式をすべて売却し、撤退している。

 原宿店は、「EATALY日本橋三越店」(以下、日本橋三越店)、「EATALYグランスタ丸の内店」(以下、グランスタ丸の内店)に続く国内3店舗目となる店舗だ。原宿店の売場面積は既存2店舗よりも小さい約71坪(テラス席除く)。また、海外の既存店でもこの規模の店舗はなく、「世界的に見ても実験店の位置づけ」(EAPマーケティング本部長 関谷悌輔氏)だという。

若者が手に取りやすい商品を中心に品揃え

 原宿店は国内のほかの既存店と同様、食物販ゾーンの「マーケット」と飲食ゾーンで構成されている。入口から広がる食物販ゾーンでは売場面積が限られているため、アイテム数を約500アイテム(うちワイン140アイテム、生ハム・チーズ60アイテム)に絞り込んだ。グランスタ丸の内店では700750アイテムを展開しているため、約3分の2の数だ。

原宿店の食物販ゾーンでは約500アイテムを取り扱う
原宿店の食物販ゾーンでは約500アイテムを取り扱う

 このうちグロサリーでは、原宿店から導入した新商品約70アイテムを含む約300アイテムを展開する。その多くがイタリアから直輸入したもので、チョコレートやパスタ、オリーブオイル、トマトソースなどこだわりの商品を取り扱う。日本橋三越店やグランスタ丸の内店では40代以上のシニア層の利用が多かったが、若者が集いやすい原宿では2030代を主なターゲットに設定し、単価が低く手に取りやすい商品を中心にセレクトした。「菓子やカラフルなパスタなどの見た目が可愛らしいものを増やし、ジャムやソースなどは小サイズのものを多く品揃えした」(EAP事業本部 MDマネージャー 星川智子氏)。

若年層に手に取ってもらいやすいように、見た目の可愛らしい商品や小サイズの商品が並ぶ
若年層に手に取ってもらいやすいように、見た目の可愛らしい商品や小サイズの商品が並ぶ


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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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