お値打ちと価値を最大化する!2024年秋、精肉部門の商品政策

馬渕 靖幸(フードサポート研究所)
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長引く原材料高によって食品の値上げ基調は続き、消費者は生活防衛意識を強めている。毎年繰り返される残暑の厳しさやコストアップにどう対応するかも大きな課題だ。こうした課題を解決し、成果を上げるための精肉部門の2024年秋の売場づくりについて解説していく。

市況分析&今秋の方向性
加速する“豚肉シフト”

 長引くインフレ下で消費者の節約志向がいっそう強まっているなか、精肉部門では比較的値ごろ感のある豚肉の需要が高まっている。本来、牛肉の売上高構成比が高い関西においても“豚肉シフト”がさらに進んでいくと見られる。

 一方で豚肉に需要が集中すれば、国産豚肉の枝肉相場の高騰は避けられない。精肉部門としては単価上昇に伴う売上アップは期待できるだろうが、利益確保の観点では抜本的な変化対応が求められることになる。

国産豚肉リブチャップ骨付きステーキ
豚肉への需要シフトが全国的に進むなか、国産豚のおいしさをビジュアルでも伝えられるような商品規格がカギになる。写真は国産豚肉リブチャップ骨付きステーキ(100g198円)

 それは構成比が上がっている豚肉に限った話ではない。精肉部門すべての商品で商品開発、商品規格から販促に至るまで、これまでとはまったく異なる対策を打つ必要がある。とくに秋は、年末商戦を見据えた販売戦略を立てるための重要な時期であることを、あらためて確認しておきたい。

秋口は季節を先取りせず「スタミナメニュー」をアピール

 他方、今や秋らしい時期というのは短く、とくに9月は厳しい残暑が続くことが常態化している。季節を先取りした商品政策(MD)も展開したいところだが、だからといって「鍋提案」はさすがに実態とかけ離れたものになってしまう。やはり秋口は残暑を乗り切る「スタミナメニュー」の提案を軸にしたほうがよいだろう。同時に、節約志向の高まりに対応して

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