実は製品回収歴27年!AOKIが初めてスーツからリサイクルシューズを開発した理由

油浅 健一
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アパレル業界における、製品リサイクルはもはや“マスト事項”といえる。製品回収後の再生原料から生まれる多様な製品を目にしない機会はないといってもいいだろう。そうした中、靴製品でも“サステナブルシューズ”と称し、リサイクル原料を活用したアイテムが大手スポーツブランドなどから続々と登場している。

AOKI(神奈川県/森裕隆社長)の新製品『ウールエコシューズ』は、同社が下取りで回収したスーツや礼服などのウール製品をリサイクルし、新しくシューズへと生まれ変わらせたサステナブルシューズだ。同社では初となる製品開発の経緯や狙いを聞いた。

サステナブルシューズで初の自社用製品を開発

AOKIウールエコサイクルロゴ
27年継続している「AOKI ウール・エコ・サイクル®」

 AOKIは製品回収リサイクルでは業界の先駆けといえる存在だ。『AOKI ウール・エコ・サイクル®』プロジェクトを東亜紡織と合同でスタートしたのが1996年。ウール製品の回収では日本初の取り組みだった。

 当時からファッションに携わる企業として「限りある資源を大切に、有効に使うこと」を使命として持続可能を意識し、これまでに毎年平均20万着のウール製品(スーツ・礼服)を店頭で回収。リサイクル製品として再生してきた。

AOKI広報室
広報室の比本佳奈氏

 これだけの規模で活動しているにもかかわらず、その活動が意外に知られていないのは、リサイクル製品が消費者の手元に届くようなアパレル製品でなかったことに一因があるかもしれない。同社広報室の比本佳奈氏が解説する。「プロジェクトで回収した製品は車の吸音材といった産業資材などにリサイクルされてきた。そのため、今回は当社としては初の『製品』へのリサイクルとなる」

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