デザートヨーグルト市場、値上げの影響を受けにくいパーソナルユース商品が健闘

文:山田 陽美
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ヨーグルト市場は価格改定により2022年下期、3年ぶりに対前年プラスの着地となった。なかでもドリンクヨーグルトや加糖ヨーグルトのパーソナルタイプが堅調に推移している。間食などの食シーンを広げるデザートヨーグルトの拡大に今後も期待が寄せられている。

数量PIは前年割れだが金額PIは3年ぶりに対前年プラス

 KSP-POSによると、2022年度下期のヨーグルトの金額PIの対前年同期比は0.8%増、数量PIは同4.1%減。価格改定により金額PIは3年ぶりに前年プラスの着地となったが、数量PIは前年割れとなった。タイプ別でみると、ドリンクヨーグルトの金額PIは同4.3%増、数量PIは同0.6%減、プレーンヨーグルトの金額PIは同0.2%減、数量PIは同5.5%減、フルーツヨーグルトの金額PIは同1%減、数量PIは同5.9%減、加糖ヨーグルトの金額PIは同0.2%増、数量PIは同4.4%減と、市場全体と同様の傾向となった。

ドリンクヨーグルトのイメージ
ドリンクヨーグルトや加糖ヨーグルトのパーソナルタイプが堅調に推移している。間食などの食シーンを広げるデザートヨーグルトの拡大に今後も期待が寄せられている。(i-stock/Fascinadora)

 ヨーグルト市場全体において、値上げによる数量減は5%程度。そのなかでもドリンクヨーグルトや加糖ヨーグルトのパーソナルユース商品は、値上げの影響を受けにくく、健闘しているカテゴリーといえる。パーソナルユース商品は、価格だけが購買動機ではなく、おいしさや原料、機能性、満足感、こだわりなどの複合的な付加価値を持つ商品へのニーズが存在することが考えられる。

 パーソナルユース商品のなかでも好調なのが、濃厚でクリーミーな食感のギリシャヨーグルト。たんぱく質を豊富に含んでいることから幅広い年齢層から支持され、朝食だけでなく、夜や食後のデザートという食シーンを広げている。この市場をリードするのが森永乳業の「ギリシャヨーグルトパルテノ」。この秋は従来品よりも1個当たりのプロテインを増量したソース入タイプ「ギリシャヨーグルトパルテノりんご&キウイmixソース入」を新発売。ヨーグルトの下には、りんご果肉のシャキシャキ食感が楽しめる、キウイ・レモン・マスカットの果汁や野菜汁のソースを敷いた満足感のあるヨーグルトだ。

 日本ルナでは、ヨーグルトを3倍濃縮した、ねっとり濃厚で脂肪0の高たんぱく乳製品「イーセイスキル」シリーズから、新フレーバーの〈バニラマスカットソースナタデココ入り〉を発売した。バニラの濃厚な味わいと食べ応えのあるソースで、おやつや食事代わりとして楽しめる。また、既存フレーバーも高たんぱく・脂肪0はそのままに、よりスイーツ感を味わえるようにリニューアルした。

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