週刊スーパーマーケットニュース
いなげや川崎京町店をオープン
1週間のスーパーマーケットに関するニュースをまとめた『週刊スーパーマーケットニュース』。地産地消と食育活動がより一層活発になってきた。もはやブームとは言えない動きで、地域社会への貢献の一環として、すでに定着しつつあることがうかがえる。ただ、まだ不足気味と思えるのは小売業側の発信力で、いくつかの仕掛けを用意しておくことも必要ではないだろうか(6月7日~13日のニュースをまとめました)。
①いなげや
「わたしのお店」をアピールした新店
神奈川県川崎市に6月21日、「いなげや川崎京町店」がオープンする。地域消費者の生活を支える多くの専門店が入居するショッピングセンターとして機能する。
同社の川崎市への出店は10店舗目。総店舗数は138店舗となる。今回オープンする川崎京町店には、100円均一ショップの「ダイソー」や「ファッションセンターしまむら」をはじめ、ヘアーカット、リラクゼーション、クリーニング、学習塾など多数の専門店が入居する。
美味しさ・楽しさ・思いやりのあるサービスと情報発信ができる、「わたしのお店」として感じてもらえる店舗を目指した新店で、地域消費者の生活を支えていくことを強くアピールした。川崎京町店の売場の特徴や概要は、以下のとおり。
- 生鮮・・・・・・・・・・すぐに調理できる簡便性の高い商品を“らくッキング”の名称でコーナー化した。
- デリカ・・・・・・・・管理栄養士監修の“栄養バランス弁当”など、健康に配慮した商品を品揃えした。
- ベーカリー・・・・約50種類の100円パンを中心に、店内焼き立てのパンを提供。
- グロサリー・・・・減塩、特保、糖質制限、有機、低カロリーなど、健康志向の商品を取り扱った。
- その他・・・・・・・・休憩など自由に利用できる43席のくつろぎスペース(イートイン)を設けたほか、ペットボトル自動回収機を設置し、1本当たり0.2円分を地域の小学校に寄付する活動にも取り組む。
- 所在地・・・・・・・・神奈川県川崎市川崎区京町2-22-1
- 売場面積・・・・・・522坪
- 売上目標・・・・・・年商約20.5億円
- 従業員数・・・・・・67名(社員18名/パートナー社員49名)
②ハローズ
「農業白書」が取り組みを紹介・掲載
「平成30年度 食料・農業・農村白書」(農業白書)で、「フードバンク提供促進の先進的な取組」として紹介・掲載された。
ハローズでは、食べられる商品の廃棄に対して、従業員から「もったいない」という声が上がり、4年前から各地区のフードバンクへ、消費期限内ではあるが販売できない商品(二十包装破れやラベル汚れなど)の提供を始めた。
当初、全店舗から自社物流センターへ集めた商品をフードバンクに提供していたが、量が増えるにつれフードバンクの負担が大きくなってきたため、その仕組みを変更。近隣の店舗からフードバンクや支援団体に直接提供する仕組みに変更した。「ハローズモデル」がそれで、運用を変更したことでそれぞれの負担が大幅に軽減。また、消費期限が近い商品の提供も可能となった。
「ハローズモデル」は小売業各社に採用され、社会貢献につながっている点が「農業白書」で紹介・掲載された。
③コープさっぽろ
「くじら調理教室」開催
コープさっぽろは「日本の伝統食文化 くじらの調理法を学ぼう!」と6月14日、「くじら調理教室」を開催する。場所は、札幌中央卸市場管理センター。近年、食べられる機会が少なってきた「くじら」の調理法を学ぶもので、くじらの食文化を後世に伝えていくこと、くじら肉の普及、くじらの良いところを広めること、を目的にしている。
④コープみらい
葛飾白鳥店 6月下旬オープン
コープみらいは東京都葛飾区白鳥4丁目に「コープ葛飾白鳥店」を今月下旬オープンする。ドラッグストアや衣料品店、フィットネスも入る複合施設となる。最寄駅は京成本線「お花茶屋」駅徒歩15分、JR常磐線各駅停車「亀有」駅徒歩20分。
⑤マックスバリュ北海道
レジ袋収益金を寄付
2018年度に販売したレジ袋収益金を地域の環境保全活動に役立てるため、店舗所在地の各自治体へ寄付する。現在、同社は食品レジ袋の無料配布を止めており、2018年度はレジ袋辞退率が82.3%と高水準で推移している。有料レジ袋収益金は、イオン北海道と合わせて169万円ほどになった。
⑥マックスバリュ九州
WAON寄付金を贈呈
6月14日、電子マネー「ふくおか共創WAON」の利用合計金額の0.1%を福岡県に贈呈する。2018年度の贈呈額は約460万円。累計贈呈額は3,618万円となった。「ふくおか共助社会づくり」に向けた地域の社会貢献活動に役立てられる。「ふくおか共創WAON」の発行枚数累計は約10万3,000枚。
⑦成城石井
本来の風味やおいしさを楽しめる新商品
「成城石井まるで果物のようなシリーズ」が新登場する。“おいしさ配合比率”を見極めたオリジナルのゼリーとスムージーで、第1弾として6月5日、「成城石井まるで果物のようなゼリー」(199円)を6種類、第2弾は8月上旬、「成城石井まるで果物のようなスムージー」(299円)を4種類、全国164店舗とオンラインショップで発売する。
⑧マックスバリュ東北
生まれ変わる焼鳥
ご当地塩や東北産醤油を使用した焼鳥で、秋田、山形、青森、岩手の4県82店舗で“東北の味焼鳥”として6月から順次発売する。たれには東北産醤油、塩には店舗所在地によって異なる各県産の塩(津軽海峡の塩、男鹿半島の塩、酒田の塩、のだ塩)を使用する試みを初めて行う。
⑨マックスバリュ東海
「梅のヨーグルト酒」&駿河湾デザインの商品2種発売
マックスバリュ東海は食を通じて地域に貢献を果たすべく、「じもの」の開発と導入を積極的に進める。その取り組みの一環として、富士高砂酒造と共同で「梅のヨーグルト酒」を開発。「富士山ありがとうキャンペーン」の対象商品として、売上の一部を富士山の美化と環境保全活動に役立てる。アルコール度数は6度で500ml・1,380円(税抜)。
またマックスバリュ東海は、今月から駿河湾をデザインした商品が2種類登場する。「伊豆産天草ところてん」(税抜248円)と「深層水ふんわりおぼろ」(同98円)で、今回の発売で駿河湾デザイン商品は、取引先19社・累計28種類に広がった。駿河湾に面する11市町のいずれかで製造され、11市町とゆかりのある企業と共同で開発された商品で、売上の一部が「駿河湾を守るための活動」に充てられる。