週刊スーパーマーケットニュース
ヤオコーもバローも職場環境の改善進める
1週間のスーパーマーケットに関するニュースをまとめた『週刊スーパーマーケットニュース』。今週は、働き方改革関連法の順次施行により、働く従業員へのサポート力が徐々に強まる動きが目立つ。職場環境の改善だけにとどまらず、地域社会を巻き込んで、どう企業の社会的使命を実践できるのか。2つの異なるテーマが、次第に両輪として結びついてきている。(3月29日~4月4日のニュースをまとめました)
①ヤオコー
サポートセンター内に認可型事業所内保育所を開園
ダイバーシティの推進を重要な経営課題のひとつに位置づけるヤオコーが、職場環境の整備の一環として認可型事業所内保育所を開園した。
近い将来、男女問わず育児期の従業員の増加が想定されるなか、いきいきと働ける職場づくりを目指し、同社は本社のサポートセンター内に4月1日、「ヤオコー川越保育園」を開園した。より一層の育児と仕事との両立(ワークライフバランス)、また、さらなる活動の支援のため設置したもので、従業員向けとして活用するほか、一定数を地域枠として設定。地域の勤労者世帯にも利用してもらう。
保育所の運営委託先は、株式会社ポピンズ。生後57日以降2歳児までを対象とし、20名(従業員枠15名、地域枠5名)を定員とする。
②バロー
人材開発センター「嫰葉舎」(どんようしゃ)が稼働
センターの開設と稼働は、持続的成長を目指すなかで「成長を支える人材開発」を重要課題として捉え、多様な人材の活躍を支援することを目的とした。
グループ従業員の能力向上を目指して4月2日から稼働した人材開発センター「嫰葉舎」(どんようしゃ)は、新しい・若い葉を育む場、としての意味合いを持つ。
事業別研修に必要な設備を整え、技術研修を充実させて現場力の強化につなげるほか、店長や次世代幹部などを対象とするマネジメント研修も拡充し、組織力の強化を図っていく。また、同グループの成長の軌跡や地域社会との関わりを体感する場と位置づける「歴史展示室」も設置。企業の理念を実践できる人材や、自ら問題を発見し、考え、行動できる自律型リーダーの育成を目指す。
「嫰葉舎」は研修棟、エントランス棟、宿泊棟の3棟からなり、研修棟は、一階が108名を収容できる研修講義室、水産、農産、ベーカリーなどについて学ぶ実習室、2階は歴史展示室、から構成される。
③マックスバリュ東海
「食育講座」を出張開催
この4月、同社は健康や栄養をテーマとした「食育講座」を店舗にとどまらず、教育施設や公共施設へも出向いて開催する。
地域視点に基づく取り組みを推進する同社は、食育活動においても、消費者の「食」への関心や理解促進を図るため、だれでも気軽に参加できる健康キャンペーンを店舗で開催する。
同時に、同社の食育インストラクターが幼稚園・保育園や小学校などの教育施設や各地域の公共施設などへ講師として出向き、子供から年配までの幅広い層を対象に、健康や栄養をテーマにした食育講座を開催する。
4月25日には、健康訴求のメニュー提案と試食、ブース展示を内容とする講座を、静岡県コンベンションアーツセンターで開催する。
④マックスバリュ東北
青森県に2年ぶりの新店
4月6日、同社は青森県八戸市に新店・マックスバリュ八戸上組店をオープンする。2年ぶりの新店となり、商品の鮮度やおいしさをさらに追求した店舗として営業を始める。店舗の特徴は、①店内休憩所の席数は33席で、ゆったりとくつろげる空間とした、②全館にLED照明を導入し、省エネに努めた、のふたつだが、商品はさらに魅力的な特徴を持つ。
同店のコンセプトは「新しい食の提案」。各売場は地域に根差した品揃えを意識したほか、従来にない商品の導入、時短調理ができる簡便商品を充実させた。
生鮮部門では、同市を中心にした青森県産野菜の取り扱い強化、全国有数の水揚げを誇る八戸港の生鮮魚や地域で親しまれている加工品の拡充のほか、精肉コーナーでは同社で初めてローストビーフを店内で加工・調理できる設備を導入したことなどが、大きなポイントになっている。
⑤オークワ
地域社会への貢献を改めて強調
今年、創立から60年目という節目を迎える同社が、新生オークワとして始動する。人口減少や業界の垣根を越えた競争の激化などが背景にある。
同社の中期経営計画は、2020年2月期から2022年2月期までの3ヶ年を対象とするが、地域社会へ貢献し続けるリージョナルチェーンを目指すことを、改めてスローガンとして掲げた。
目標となる「3つのRへの挑戦」は、Reborn(生まれ変わる)、Real(現場最優先)、Refresh(リフレッシュ)。・リアル店舗ならではの五感に訴える心地よい買物空間の創造、・チェーンストア経営による効率化を活かしながら、地域ニーズに応える個店対応(以上、Real)、・従業員へ、元気で明るい働き甲斐のある職場を提供する(Refresh)、などが注目される。
重点政策は、店舗戦略、商品戦略、販売戦略、人事戦略、環境対策・社会貢献、からなるが、昨今の社会事情を反映して、・女性が活躍できる環境整備、外国人労働者の採用拡大など、人財の確保とスキルアップにより、従業員満足度を向上(人事戦略)、・食品ロス削減やトレーのリサイクルなど省資源化の推進、・防災への取り組み強化(以上、環境対策・社会貢献)、などが盛り込まれている。
連結ベースの2022年2月期の業績目標は、営業収益2,700億円、経常利益45億円。