ClipLine(クリップライン)記者発表会 トレーニング動画で小売業の人手不足・人材育成を
小売業において高まる人材育成の必要性
店舗型サービス業の生産性を動画で改善するクラウドOJTシステム「ClipLine(クリップライン)」を提供するClipLine株式会社(東京都:高橋勇人社長)は、2月25日に都内の自社オフィスにおいて、外国人教育に関する調査結果およびビジネス戦略の記者発表会を行った。
ClipLine社は企業展開ビジネスのコンサルティングノウハウを活かして、サービス業のかかえる諸問題へのコンサルティングを行っており、特に「スシロー」を運営するあきんどスシロー社の改革を支援したことが、「ClipLine」サービス構築の原点となっている。
国内の店舗型サービス業の従業員数は、平成26年の経済センサスによると2256万人。小売業は昨今問題となっているように、少子高齢化などによる人手不足の影響を特に大きく受ける業種だ。その対策の一環として、店舗型サービス業は今年4月の改正入管法の対象となっているため、従業員の中で外国人労働者がさらに増えることが予想される。このような環境の中、労働生産性向上の観点から人材育成への必要性が高まっているが、サービスを教育することは他の人材教育に比べて難易度が高く、課題となっている。また、小売業の組織体系の特徴として、本部から現場への意思伝達に差異が出ることもあり、サービスの品質を現場でどう保つかという点についても対策が必要だ。
同社が今年1月に行った「外国人労働者の教育に関する実態調査」によると、外国人労働者の受け入れについては、81%は前向きだが、約60%は文化や習慣の違いによる、コミュニケーションの取り方などの不安を抱えているのも事実だ。こういった課題について同社は「失敗の本質」(中公文庫)などで知られる、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏の理念を基に、「ClipLine」を開発。既に吉野家、クリスピー・クリーム・ドーナツ、高島屋などで導入され、売上の向上などの成果を上げている。サービスの向上によって小売業のリピーターを増やすことが同社のアプローチで、同時に従業員の定着にも寄与するとしている。
既存のeラーニングとは違う技術習得を目標
「ClipLine」と既存のeラーニングとの大きな違いは、eラーニングが知識の習得であるのとは違い、「ClipLine」は技術の習得を目標とする点だ。サービスとしては戦略の策定、課題解決のロードマップ策定支援、「ClipLine」導入支援、「ClipLine」運用サポートに分かれるが、メインのサービスは10万本を超えるトレーニング動画による接客技術の共有だ。
同社の今年の取り組みとしては従業員に自主的に学んでもらうような自律学習の促進と、投稿コンテンツの質と量のレベルアップを主眼においている。自律学習についてはゲーミフィケーション(ゲーム化)や、視聴する従業員への動画のレコメンデーション機能などの搭載、投稿コンテンツについてはテスト機能などの双方向性を取り入れるとしている。また、動画視聴の新機能「Clip360(β)」の導入実証実験を開始する。自分で視点を動かし、360度の動画を見ることができ、このような仕組みは米国ウォルマートなどでも導入されている。
その他、 外国人労働者の採用を行うYOLO JAPAN社と提携し、採用から教育まで一貫したサービスを提供することで、早期戦力化と離職の防止を目指す。
Clipline株式会社