「業績の差は、キメの細かさ」(竹野浩樹社長)
都心を中心にスーパーマーケット(SM)を展開するサミット(東京都)の快走が止まらない。既存店ベースの売上高で2019年3月期上期を3.3%増で折り返し、「来年と比べてギアが上がっており、いまのところ3.5%増のペースで推移。施策があたっている」(竹野浩樹社長)。
SM業界全体では、少子高齢化、人口減、業態を超えた競争環境により苦戦するSMが増えているなか、「自社としての課題感はない」という。
では、業績の差はどこでつくのか?
竹野社長は語る。「これからの社会は“使わない社会、使い切れない社会”。(消費者は)包丁もまな板も車も使わない時代で、キャベツ一個を買っても使いきれない時代だ。(そのニーズに対応した総菜や半調理の強化、小容量の商品の展開などを)どれだけキメ細かくできるかが未来を分けると思う。コンビニやドラッグストアも生鮮食品を導入して競合していると言う人もいるが、店舗のサイズやバックルームの規模に限界があるから、幅広いアイテムでできたてや焼きたてを提供することはできない。(SMが差別化するためには)その領域に行かないとダメだと思う」
やるべきことを徹底する、やりっぱなしではなく検証して修正する、まさに徹底力が問われていると言えるだろう。
さらにサミットでは、組織が向かう方向性を一本化させるために「共有力を上げる」をキーワードにする。
その心は、お互いを知り、コミュニケーションを良くして、その取り組みをコツコツやり続けること。全店で一気にやろうと思わず、特徴あるモデル店舗を設けてその店を先行事例にすれば、後からついてくる。
19年からはそれを全店波及させ、全店が意思統一された「ハイタッチな接客、ハイタッチな食べ方」などを顧客に実践していく。(A)