不採算店整理や業務改善など内部改革に手応え、既存店をテコ入れ=天満屋ストア 橋本和雄 社長
岡山県を拠点に広島県、香川県で店舗展開する天満屋ストア。ここ数年、とくに中国エリアではディスカウンターの台頭などにより苦戦を強いられている。それに対し、店舗の作業改善を進める一方、商品力強化によって虎視眈々と巻き返しをねらっている。“経理畑”出身の橋本社長は次の針路をどう取るのか。
データに基づく経営で社内に共通認識をつくる
──少子高齢化で市場が縮小する中で、競争環境はますます厳しくなっています。足元の状況はいかがですか。
橋本 当社の商勢圏である中国エリアでも、とくに価格競争が激化しています。ここ数年間は、守りに徹してきたというのが正直なところです。
ただ足元の状況に目を向けると、業績は若干上向き始めており、改善傾向にあると感じています。現在の景況感によるところもあるでしょうが、競争が一巡して落ち着いてきた結果だと受け止めています。既存店売上高は対前期比で99%を少し切る水準で、まず目標としている100%にあともう一歩というのが現状です。
──2011年2月期は減収増益、12年2月期も減収の見通しです。
橋本 11年2月期は営業収益835億3900万円(対前期比5.1%減)で、5年連続の減収でした。今期も減収を予測しているのは、前期に複数の不採算店舗を整理したことが大きな要因です。
具体的には昨年8月に1店、今年2月期末で1店の計2店舗を閉鎖しました。ただ昨年度に閉めたうち1店舗は建て替え中で、今年11月にリニューアルオープンする計画です。
──3月に発生した東日本大震災の影響もありますか。
橋本 実はここ数年、取り組んできた改革などによって12年2月期の下期業績は改善すると見ていたのですが、震災によって見通しがやや不透明になっています。とくに原発事故の影響で、消費者に牛肉や米といった食品への不安は広がっており、今後どうなるか気になるところです。長期的に見ても、震災が消費やビジネス環境にいかに影響を及ぼすかを、注視する必要があります。
また日本全体を見ると、少子高齢化という問題があります。少子化高齢化が進めば客数は減り、客単価が下がる。長期的に見ても、そういった傾向は強まるのは間違いありません。
──そのような中で今年2月、社長に就任されました。経理畑出身の経営者として、とくに意識することはありますか。