【米クローガー】英国の食品EC企業、オカドと資本業務提携

2018/05/21 11:00
Pocket

 米スーパーマーケット最大手のクローガーは5月17日、英国の食品EC(インターネット通販)企業、オカド(Ocado)と資本業務提携すると発表した。

 

 クローガーは1億8300万ポンド(約274億ドル)でオカドの株式の5%を取得し、出資比率を6%に引き上げる。オカドが「オカド・スマート・プラットフォーム(OSP)」の名称で提供している食品ECソリューションについて、クローガーは米国内での独占使用権を得る。

 

 クローガーはアマゾン・ドットコムやウォルマートに対抗するためにEC事業を強化しており、ネットで注文した商品を店頭で受け渡しする「クリックリスト」の対応店舗を約1000店舗に拡大、2018年1月期のEC売上高は前期比で90%増えた。買い物代行のインスタカートやシップトと連携した食品宅配サービスも広げている。

 

 既存のEC事業は、受注した商品を店頭在庫からピックアップして発送する店頭起点型だが、EC専業のオカドは専用倉庫から発送する倉庫起点型。クローガーは年内に米国でEC専用倉庫を3ヵ所、3年以内に20ヵ所開設する。

 

 オカドはロボットが商品をピックアップする自動倉庫の運営ノウハウを持っており、配送ルートを最適化するソフトウエアにより高い配送効率を実現する。消費者が利用するアプリを含めてこれらのシステムをOSPとして小売業向けに提供している。OSPはこれまで、英国のウィリアムモリソン、フランスのカジノ、カナダのソビーズ、スウェーデンのICAグループなど大手小売業が採用している。

 

 クローガーは今期、クリックリストの対応店舗をさらに1000店舗増やす計画だが、OSPを活用した倉庫起点型のECを組み合わせて、EC事業の拡大をさらに加速させる。

 

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態