【英セインズベリー】米ウォルマート子会社のアズダと経営統合

2018/05/07 12:00
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 英スーパーマーケット(SM)2位のJセインズベリーは4月30日、同3位で米ウォルマート子会社のアズダと経営統合することで合意したと発表した。両社の2017年度の売上高を合算すると約510億ポンド(約7兆6000億円)となり、最大手のテスコと肩を並べる。日本の公正取引委員会に当たる競争・市場庁(CMA)による認可などを経て、2019年度下期に統合を完了する予定だ。

 

 Jセインズベリーは、SMチェーンのセインズベリーズのほか、家電・玩具・スポーツ用品など販売するアルゴスを傘下に持ち、17年度の売上高は317億ポンド。アズダは、スーパーセンター型の大型店を軸に635店舗を展開、1999年にウォルマートの子会社となった。

 

 Jセインズベリーはアズダの企業価値を約73億ポンド(負債と手元現金、年金を除く)と評価。これに基づき、ウォルマートは統合会社の株式の42%と現金29億7500万ポンドを受け取る。

 

 統合後もアズダの社名は残し、同社のCEO(最高経営責任者)、ロジャー・バーンリー氏は続投する。統合によるJセインズベリーおよびアズダの店舗閉鎖は予定していない。バーンリー氏はJセインズベリーの経営幹部からアズダのCEOに転じた経緯がある。

 

 両社は仕入れの統合などにより、購入頻度の高い商品を約10%値下げできるとしている。英国ではドイツ系食品ディスカウントストアのアルディ、リドルがシェアを伸ばしているほか、インターネット通販も台頭しており、統合会社は価格訴求を強めることで競争力を高める。また、両社は経営統合により償却前営業利益(EDITDA)を少なくとも5億ポンド高める効果があるとしている。

 

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