【米小売売上高】マイナス基調続くも、コールズ、ウォルグリーンなど好調
米小売業の9月の売上高は全体としてマイナス基調が続くものの、一部企業では既存店売上高が大幅なプラスとなるなど、まだら模様となっている。
米商務省が発表した9月の小売売上高(季節調整済み速報値、インフレ調整前)は、前月比マイナス1.7%(前年同月比では6.4%減)だったが、自動車および部品を除くと前月比0.5%増(前年同月比4.9%減)とわずかながら8月を上回った。衣料品・アクセサリー小売業が0.5%増(同1.3%減)、百貨店が0.4%増(同3.7%減)など、9月の気温が低く冬物衣料の動きが良かったこともあり、これまで不振だった業態の売上げがプラスに転じた。
個別企業では、大衆百貨店チェーンのコールズが既存店ベースで5.5%増、ディスカウント衣料チェーンのTJXが既存店ベースで7%増となるなど、価格訴求力の高い衣料品小売業が好調だった。
ただ、昨年は8月末にかかっていた「レイバーデー」の連休が今年は9月にずれこんだことが売上アップの要因として働いており、また、9月の失業率が9.8%と過去最悪の水準に高まっていることもあって、10月以降も売上げ回復基調が続くかどうかは予断を許さない状況だ。