SM20社と推進、新たな顧客接点をつくるD&Sソリューションズの取り組みとは
食品卸大手日本アクセス(東京都/服部真也社長)傘下のD&Sソリューションズ(東京都/淵之上明生社長)は「情報卸」を志向し、食品小売業の売上拡大に向けた“攻め”のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進してきた。同社は「LINEミニアプリ」や「チラシNEXT」を通じて、小売企業の新たな顧客接点をつくるサポートを推進する。
「LINEミニアプリ」の導入をサポート
国内の人口減少やオーバーストアといった厳しい事業環境の下、小売業がより多くの優良顧客を囲い込むためには、店頭だけでなく、店舗外でも顧客との接点を持つことが必要だ。
D&Sソリューションズは、LINE(ライン)上で動作する食品スーパー(SM)向けアプリケーション「LINEミニアプリ」や、コンテンツの配信を通じて商品の価値を訴求できる次世代のデジタルチラシ「チラシNEXT」などのソリューションをSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス:サービスとしてのソフトウェア)方式で提供し、顧客とのデジタル接点となるリテールメディアの構築を支援している。
D&Sソリューションズのソリューションを活用してリテールメディアに取り組むSMはすでに20社にのぼる。「LINEミニアプリ」は2020年10月の正式リリース以降、SM11社で導入され、「チラシNEXT」もSM9社で採用された。
たとえば、21年12月に「LINEミニアプリ」を導入した静鉄ストア(静岡県)では、売場とデジタルを連動させたプロモーションを積極的に展開し、顕著な成果を上げている。月間売上における「LINEミニアプリ」の会員構成比は4割を超え、「LINEミニアプリ」の会員のほうが非会員よりも売上が顕著に伸びる傾向もみられる。
D&Sソリューションズ取締役の齋藤重光氏は「食品小売業界では、商品を扱うバイヤーとDXを推進するマーケティング部門や営業企画との連携がうまくいきづらい」と業界特有の構造的な課題を指摘したうえで、「静鉄ストア様は商品部門と販促、営業企画との部門横断の連携がすすみ、成果につながっている」と評価する。
価格だけじゃない!商品の価値を訴求する
値上げに伴って商品の販売数量が伸び悩むなか、価格訴求やポイント販促のみに終始せず、価格以外の商品の価値を消費者にきちんと訴求することがより重要となっている。
D&Sソリューションズは、店頭では伝えきれない商品の付加価値や魅力を効果的に表現したコンテンツの製作・配信に強みを持つ。商品への興味を喚起するコンテンツを「LINEミニアプリ」で配信することで、消費者の購買決定により近いポイントで商品の価値を訴求できるのが利点だ。
コンテンツの配信とID-POSデータと連携することで、「コンテンツに接触したユーザーのうち、どれくらいの割合が実際に購買したか」といったマーケティング施策の効果検証が可能となり、顧客理解の深化にもつながる。たとえば、あるナショナルブランド(NB)の商品では、コンテンツに接触した人とそうでない人の購買率の差が27倍となった。コンテンツ配信後の売上高は配信前の2倍に伸長し、リピート購入の効果も出ている。
齋藤氏は、厳しい事業環境に立ち向かう手段として「『LINEミニアプリ』のような“道具”がどんどん利用されるべき」と説き、「SMとメーカーの双方で我々のソリューションの利用をもっと広げていきたい」と述べている。
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