小売業のDX推進の実情と課題とは? 日本小売業協会CIO研究会ステアリングコミッティメンバーが紐解く業界革新へのヒント

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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DX実現にはサプライチェーン各社の協業が必須
小売業自らITリテラシーを身に付けよう

経済産業省が2018年に公開した「DXレポート」を機に、幅広い産業分野でDXへの注目が集まっています。しかし、それから約2年が経過した現在も、DXへの取り組みはあまり進んでおらず、とくに小売業においては他業種に比べて取り組みは遅れているといえるでしょう。

日本においてDXが進まない原因として、「DXの目的がわからない」「どうすればDXになるのかわからない」「DXの進め方がわからない」といった声が聞かれます。これらを踏まえると、DXの推進には、「経営トップの意思」と「DXに対応できる組織・人材」、そして手段としての「ICT革新」が噛み合うことが必要だと考えられます。

日本小売業協会はこうした認識のもと、小売業各社のCEO、CIOのDX戦略立案に寄与すべく、2019年5月に産学官の有識者からなるCIO研究会ステアリングコミッティを設置しました。同コミッティは、2020年11月に開催された「リテール&ITリーダーシップフォーラム2020」において「リテール4.0~小売業のデジタルトランスフォーメーション」と題したセッションを行い、大きな反響を集めました。

このセッションでの提言に深く共鳴した富士通は、より多くの小売関係者に同コミッティの考えを広げるべく、同コミッティのメンバーによるパネルディスカッションを開催。ディスカッションには、丸井グループ、カスミ、トライアルホールディングスのトップマネジメントと学術的な立場として学習院大学の経済学部教授が登壇しました。

まずは経営トップ層が持つべき危機感や、現場部門との連携のあり方、さらにはサプライチェーン全体における協働の必要性などについて語られました。続いて、DXを支える先進的なデジタル技術を導入するために必要なこととして、社内におけるIT人材の育成の必要性や、外部ITベンダーとの連携なども含めて議論がなされました。

ディスカッションを進めるなかで、小売業のDXを阻む障壁として、 小売のビジネスとITの両方を知っている人材が不足していることや、システムの標準化が進んでいないこと、商流の上流工程への依存体質があることが明らかになってきました。

トップマネジメントたちはDX推進を加速させるために必要な方策について、次のように語っています。

「DXを実現するには、レガシー化したベンダー依存、カスタマイズ依存といったシステムから脱却し、小売業内でIT人材を育成し、小売業自らがITリテラシーを身に付ける必要がある」
「一社だけの取り組みでは限界があるので、全体最適の視点で、サプライチェーン各社が協働する必要がある。自分の視点だけでなく、相手の視点、社会の視点で考えることで、業績拡大と社会貢献を両立していけるはず」

今回のディスカッションをまとめたレポートでは、各社のDXへの取り組みや考えをわかりやすくまとめました。富士通はDXパートナーとして、小売業のDX推進/改革に向けて一緒に取り組んでまいります。DX推進の手引きとして、是非ともレポートをご覧下さい。

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