国内最大級のアナリティクス専門カンファレンス『SAS FORUM JAPAN 2020』(2020年11月25日開催)では、デジタルトランスフォーメーションを実現する最新のソリューションが紹介された。本フォーラムにおいては「流通・小売」部門では多彩なゲスト講師が登壇。流通・小売部門の5セッション分のレポートを紹介する。
業態により明暗分かれる
本日は「押すだけアナリティクスforRetail『NECAnalyticsDashboard』ご紹介」(以下、押すだけアナリティクス)というテーマで話をしたい。この製品は、NECオリジナルの分析ダッシュボードで、裏の分析エンジンにはSAS製品が入っている。一般にデータ分析は難しいと思われているが、これは名前の通り「押すだけ」の簡単操作できる点がユニークだ。おもに小売業向けの製品となっている。
製品を説明する前に、小売業の現状に目を向けると、昨今、COVID-19の影響で業態によって明暗が分かれた。2020年上半期の商業販売額は、小売業全体の数値は対前年同期比5.3%減。詳しく見ると「百貨店」は同33.1%減、「コンビニエンスストア」は同4.5%減に対し、「スーパー」は同3.8%増、「ドラッグストア」は9.3%増、「ホームセンター」は7.5%増と専門店は伸長した。
小売業では今、COVID-19の影響によりさまざまな変化が起きている。今年の春先から休業要請が始まり、ニューノーマルが浸透しつつある。従来、都心で売れていたのに、郊外で売れるようになった商品がある。ECの利用者は増えた。店舗では、買物頻度が減少する一方、まとめ買い需要が拡大。総じて、小売業にとり過去の経験が通用しない状況が続いている。
これらの状況に対応するための製品が冒頭に触れた「押すだけアナリティクス」だ。コロナ禍においても、売れ筋商品や顧客動向を分析でき、商品在庫の適正化など、店舗指導に役立てられる。NECの経験豊富なデータサイディストのノウハウを凝縮した製品だと自負している。
8つのテンプレートを用意
システムはシンプルで、サーバー1台と、PC1台があれば構築できる。使い方は簡単、まずお客さまの手元にあるID-POSをCSVデータに出力して「押すだけアナリティクス」に取り込む。そしてボタンを押して分析、結果をブラウザで見るという流れだ。
具体的に、どのようなテンプレートがあるのかを紹介したい。
まずは「売上予測」。予測でも、店舗別、商品別に絞り込んで予測できる。「RFM分析」は、お客さまの最終来店日、来店回数、購入金額の状況を分布することが可能。次に、顧客を分析する「デモグラフィック分析」。新規、既存のお客さまの年齢層、性別を把握するほか、顧客単価、売上金額、購入金額を比較することができるテンプレートである。
次は、商品分析の「トライアル&リピート分析」で、多くの顧客が購入する商品(トライアル)と繰り返し購入する商品(リピート)を把握できる。「併売分析」は、ある商品と“同時によく購入する商品”を把握できる。また知りたい商品分類や商品で絞り込みも可能だ。
店舗分析の「店舗クラスター分析」は、購買傾向が似ている店舗グループを把握できるほか、商品の売上傾向や顧客構成の違いを把握することもできる。このほか商品分類や店舗、売上金額や個数など、自由な視点でデータを分析、自由なレイアウトで表現できる「非定型分析」など、合計8つの分析テンプレートを用意している。
テンプレートを組み合わせることで、自社が展開する店舗の状態を把握、売上を伸ばすためのツールとして使える。たとえば「店舗クラスター分析」「RFM分析」「トライアル&リピート分析」により、売れている店の要素を、売上を伸ばしたい店に取り入れることもできる。
専門的な分析を、クリック操作だけで簡単に実現できる製品だ。もしご興味あれば、気軽にお問合せいただければと思う。
各プログラムの詳細
下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。