小売向けネットスーパー支援の10X、AI・DX領域に進出の深謀
発注業務の属人化を改善する「Stailer AI発注」とは
他のプロダクトに先駆けて提供する「Stailer AI発注」はどのような製品なのか、もう少し具体的に見ていこう。
10Xによれば、小売各社のこれまでの発注業務は、商品の販売実績や在庫の状況、店舗周辺のイベントなど、さまざまな要因を勘案したうえで判断することが多かった。そのため現場の担当者の高度な判断やノウハウに依存するところ大きかった。
しかし人手不足が深刻な昨今、一定の経験が求められる発注業務は経験の浅いスタッフでは対応が難しく、ベテランスタッフの業務時間を圧迫することにつながっていた。
今回の「Stailer AI発注」は、こうした「発注業務の属人化」という、小売業の長年の課題を解決することをめざしたサービスとなっている。
矢本氏は同製品について「人が何もしない状態がスタンダードとなる（製品）」と表現した。
主な仕組みとしては、特定の商品の売上や天候、販促情報など、発注業務の際に必要となる多様な情報・データを統合することで、AIが最適な発注内容を自動で提案する。作業はモバイルアプリで実施可能なため、誰でも使いやすく、経験にかかわらず発注業務に取り組むことができる。
導入費用は、企業側の基幹システムやPOSシステムへの接続にかかわる初期導入費用に加え、1店舗あたり数万円の月額利用料が発生する。
導入パートナー1号となるデリシアの森真也社長は「システムベンダーとクライアントという関係性ではなく、ゴールを共有するパートナーとして、利害を一致させて取り組んでいく」と展望を語った。
記事執筆者
2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。
流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。
趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。
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