イオンモール、デジタル技術を使ったスマートモール化を推進
イオンモールはデジタル技術を使ってショッピングセンター(SC)での買い物のストレスを軽減したり、利便性や情報発信力を高めたりする「スマートモール」化を推進する。旗艦店の「イオンモール幕張新都心」(千葉市)などで実証実験した上で、全国のSCへの展開を目指す。
インバウンド(訪日外国人)客などへの対応のために、タケロボ(東京都)と開発した案内システム「小型AIインフォメーション」をイオンモール幕張新都心の各所に設置する。AI(人工知能)で音声を認識し、ショップやトイレ、ATMの場所、バスの時刻表などを案内する。タブレットとマイクで構成され、日本語のほかに英・中・韓の3ヵ国語に対応する。
SC内の専門店の商品を横断検索できるシステム「お買い物ナビ」は、イオンモール幕張新都心と「イオンレイクタウン」(埼玉県越谷市)で11月から12月にかけて実証実験する。日立製作所と共同開発したこのシステムは、SCに入居する店舗の商品情報を各社のEC(インターネット通販)サイトから自動収集し、モール内に設置された端末から検索できるようにしたもの。カテゴリー検索やキーワード検索のほか、利用者のスマートフォンに保存された画像に似た商品を検索して一覧表示することもできる。
また、SCを利用する高齢者も多いことから、乗車型の電動買い物カートを用意する。試乗者の声を反映して、大きな荷物を入れることができるカゴを取り付けたり、長時間乗っても疲れにくいシートを採用したりしたオリジナルの電動カートで、キュリオ(岐阜県)の電動モビリティをベースに、菊池製作所(東京都)と共同開発した。
このほか、SCに出店する専門店の従業員向けには、タブレットを使って業務の効率化を支援する。タブレットに専用アプリ「イオンモールワークス」を搭載、各種届出書の申請・承認やSC管理事務所からの文書などの配信、チャットによるコミュニケーション機能などを実装した。この業務用タブレットは、11月以降、全国80ヵ所のSCに順次導入していく。