新たな画像解析技術「骨格分析」トイレ個室内のトラブル検知も可能に!?

兵藤 雄之
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トイレ内のトラブルも監視可能に

 画像認識による顔認証はプライバシー保護の観点からも応用範囲が限られるが、個人特定の難しい骨格分析であれば、応用分野も広がってくる。例えば、不特定多数が利用するものの防犯カメラの設置が難しいためトラブルにつながることも多い、コンビニや食品スーパー、商業施設、公共施設などの個室トイレでの課題解決にも応用可能だ。

 こうしたニッチな分野に着目し、22年末のリリース予定でトイレ内異常監視システム「Xeye(エックスアイ)」の開発を進めるのが三協エアテック(大阪市/加来裕生社長)だ。「故意にトイレを汚す、設備を壊すなどの迷惑行為」「トイレットペーパーなどの備品の盗難」「発作や急な体調不良による緊急事態」といった個室トイレ内で起こる問題を、お客のプライバシーに配慮した骨格分析により解決することをめざしている。

 「Xeye」では、骨格分析の技術を使ってトイレ内の最小限の動作情報を取得し、予め学習させた行動パターンと照合することで、「便器の外で立ち止まって用を足す」「突然、倒れてしまった」といった個室内における異常な動作の検知が可能だという。そのため適切なタイミングでの対処が可能となり、スタッフの負担軽減も期待できる。異常の通知はメッセージのみ。動作情報そのものは店舗スタッフには知らされない。

 天井裏に設置するための穴をあけることができれば、既設のトイレでも取り付け可能。あとは電源とWi-Fi環境があればよい。「スマホや財布など忘れ物の検知や、万引、盗難防止にも応用できるようにしたい」(開発部技術管理室室長・古橋憲治氏)。同社では6月くらいをめどに実証実験に入る予定で、現在協力企業を募集中だという。協力企業は、当面無償で利用することができる。

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