デジタルネイティブ世代に新しい買い物体験を!「未来の小売」 CHOOSEBASE SHIBUYAをレポート
今後のリアル店舗は「全員に好かれる必要はない」?
9月のオープンから2か月が経過したが、D2Cブランド側から出店したいという希望が絶えないという。伊藤氏自身も、「インスタの『映えスポット』になっている」と予想外の客足の大きさに驚く。いわゆる「館業」でこれだけのブランドからの出店希望と客足を見込める場所はあまりないという。
CHOOSEBASE SHIBUYAが打ち出したコンセプトは「新しいブランドと新しいお客様を引き合わせる」だった。「キャッシュレス決済に限る、といった営業戦略は従来の百貨店の『ユニバーサルデザイン』からはかけ離れたものです。しかし、趣味嗜好が多様化した現在では、リアル店舗においても必ずしも皆さんに好かれる必要はないのではないかと感じています。D2Cブランドをはじめ、作り手の想いが明快に伝わる売場を演出できれば、リアル店舗にもまだまだ可能性があるのではないでしょうか」(伊藤氏)
百貨店業界において、前例のないチャレンジに取り組んだそごう・西武。今回のCHOOSEBASE SHIBUYAは、コロナ禍になる以前の2年以上前から準備を進めてきた。「今後は、当社の他の店舗においても、ECと店舗の在庫一括管理や、キャッシュレス決済、D2Cブランドとのコミュニケーションなどを活かし、未来型百貨店ビジネスを生み出していく可能性がある」(株式会社そごう・西武 広報担当 佐藤氏)
店舗へのテクノロジー導入と、D2Cブランドのリアルへの出店経路という組み合わせが実現した今、どう百貨店ビジネスを発展させるのか?百貨店の未来を創造する、そごう・西武の取り組みに今後も注目したい。