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イオンスタイルの至近、イトーヨーカドー跡地に出店! ヤングファミリーをねらい撃つ、「ヤオコーふじみ野大原店」をレポート

ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は7月21日、埼玉県ふじみ野市に「ヤオコーふじみ野大原店」(以下、ふじみ野大原店)をオープンした。今期では早くも5店舗目となる出店で、これにより同社の総店舗数は174店舗(ヤオコー単体)となっている。総合スーパー(GMS)の「イトーヨーカドー上福岡東店」の跡地、昨年オープンしたばかりのGMS「イオンスタイルふじみ野」の至近に出店した同店ではどのような売場づくりをしているのか。

ヤオコーふじみ野大原店の外観。テニススクールがテナントに入るため、ユニークな形状となっている。店舗奥側の隣接地では大型マンションの建築が進む

昨年開業の「イオンスタイル」の至近に出店!

 ヤオコーが7月21日にオープンした「ふじみ野大原店」は、東武鉄道東上本線「上福岡」駅東口から歩いて約12分、直線距離で約950mの場所にある。2019年8月に閉店したGMS「イトーヨーカドー上福岡東店」の跡地に出店した店舗で、ドラッグストアとテニススクール、クリ-ニング店などがテナントに入る。「ふじみ野市役所」と道路を挟んでほぼ真向かいに立地し、目と鼻の先には20年11月開業のGMS「イオンスタイルふじみ野」がある。

 ふじみ野大原店の周辺は、自社店舗が多数あるヤオコーのドミナントエリアだ。「上福岡」駅前に「上福岡西口店」(埼玉県ふじみ野市)があるほか、約1.6km離れて「上福岡駒林店」(同)、約1.8kmの場所には同じく21年7月にオープンしたばかりの「川越藤間店」(埼玉県川越市)、約2.7kmまで離れるとヤオコーの大型旗艦店「川越南古谷店」(同)もある。ふじみ野大原の出店により、東武東上線沿線、川越市~ふじみ野市間のドミナントを深耕する構えだ。

ヤングファミリーをねらいうち!

 売場面積650坪、初年度年商目標16億円と、ヤオコーにとっては標準店の位置づけとなるふじみ野大原店。同店がメーンターゲットに据えるのは40歳台の4人家族、いわゆるヤングファミリーだ。子育て中の家族を想定した大量目商品をはじめ、ふじみ野大原店では若いファミリーの需要に応えるMD(商品政策)が随所で見られた。

 写真とともに注目MDを見ていこう。ふじみ野大原店で新たにチャレンジしていたのが「豚焼肉」の提案だ。「焼肉」の提案は牛肉が一般的だが、食べ盛りの子どもを持つファミリーのニーズを想定し、牛肉よりも安価に楽しめる豚焼肉を提案している。取材時は500g前後のパックを充実させていた。

精肉売場で販売していた「国産豚肩ロース焼肉用」(100g当たり138円)

 菓子にも力を入れている。ほかの店舗よりも菓子売場の尺数を増やしており、レジ前ゴンドラゾーンの菓子売場では豊富な品揃えが見られた。同じくゴンドラゾーンで展開する加工食品を含めて、ゴンドラの陳列はほかの店舗よりも高く、全体的にフェース数が多い印象を受けた。

売場中央前方、レジ前で展開する菓子売場
豊富な品揃えの駄菓子コーナー

8月限定商品を先行展開!

 注目の総菜売場では、魚総菜の「漁火(いさりび)」、鶏総菜の「幸唐(さちから)」など既存店でおなじみのMDのほか、新商品もいくつか見られた。平台に配置した「ぶっかけうどん」コーナーはその1つで、8月の限定商品として今後全店で展開する予定だという。

8月限定の「ぶっかけうどん」コーナーを先行展開

 ベーカリーでは、「ピスタチオの贅沢タルト」を新商品として投入。ピスタチオクリームの上にクリームチーズと生クリームを混ぜたチーズクリームを乗せ、さらにその上から砕いたピスタチオをまぶしたという手の込んだ1品だ。

ベーカリーの新商品「ピスタチオの贅沢タルト」

 ヤオコーは来週にも新規オープンを控えており、7月29日に「天王台店」(千葉県我孫子市)の出店を予定する。7月6日オープンの川越藤間店、このふじみ野大原店に続き、21年7月は1カ月に3店舗を出店することになる。また、8月上旬には、新業態「フーコット」の開店も控えている。前期(21年3月期)が記録的な好決算となっただけに、前期実績を超えるハードルはこれまでになく高い。怒涛の出店は長年続く増収増益記録の更新にどう寄与するか。今夏のヤオコーの動向は要注目だ。

(店舗概要)
店名 ヤオコーふじみ野大原店
開店日 2021年7月21日
店長 太田正和
営業時間 9:00~21:45
店舗面積 2150.7㎡(650坪)
駐車台数 228台
駐輪台数 143台
取り扱いSKU数 約1万4150SKU
年商目標 16億円(初年度)
従業員数 正社員18人、パート・アルバイト125人(延べ人数)