ウィズコロナ時代の新しいNSCのかたちを示したイオンタウンふじみ野 徹底解説!

取材・文:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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イオンタウンふじみ野の外観

イオンタウンふじみ野

〒356-0011 埼玉県ふじみ野市福岡2-1-6
電話:049-256-3001
東武東上線「上福岡」駅より徒歩約15分

イオンタウン(千葉県/加藤久誠社長)は11月21日、埼玉県ふじみ野市に近隣型ショッピングセンター(NSC)「イオンタウンふじみ野」を開店した。同施設では公式スマホアプリや、ワークスペースを含む多目的空間を初めて導入し、新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で生まれる新たなニーズや生活様式への対応を積極的に進めている。

外部と連携し洗練されたイベント・ワーク環境を提供

 イオンタウンふじみ野がオープンしたのは、東武東上線「上福岡」駅から北東へ約1.2㎞の県道56号沿い。大手通信メーカーの工場跡地に開業している。

 基本商圏に設定するクルマで10分圏には5万5065世帯/12万3215人が居住する。近年30~40代の若いファミリー層が増えているエリアだ。

 近隣の競合施設としては、南東約4㎞の「ららぽーと富士見」や、南約3㎞の「ソヨカふじみ野」といった有力ショッピングセンター(SC)がある。また至近のSMとして、県道56号を挟んだ西側の「イトーヨーカドー上福岡店」(2019年8月閉店)跡地に、ヤオコー(埼玉県)が21年5月頃に新規出店を予定している。

 イオンタウンふじみ野は地上3階建てで、総賃貸面積は約3万5254㎡。計92店の専門店が出店しており、核店舗にはイオンリテール(千葉県/井出武美社長)の総合スーパー(GMS)「イオンスタイルふじみ野」が入る。

 同NSCのコンセプトは「Well-being Community」。地域の暮らしに寄り添い、賑わいが創出できる施設を追求している。

 それを象徴する売場が、イオンタウン初導入のコミュニケーションスペース「cotokoto(コトコト)」だ。買物途中に立ち寄り休憩ができるフリースペースのほか、有料で利用できるレンタルルームやワークスペース、キッチンなどで構成される多目的空間で、地域住民の新たな交流や活動の場となることをめざす。

 同スペースで特徴的なのは洗練されたデザイン空間。外部のリノベーション提案事業者と手を組むことで実現した。数年後にはイオンタウン単独で展開できるようにノウハウを蓄積していく方針だ。すでにイオンタウンが22年に、千葉県旭市と岐阜県本巣郡北方町に開業予定の計2つの施設にも同スペースを導入する計画で、今後の施設づくりにおいて重要な機能と位置付けている。

デジタル活用で買物の非接触ニーズに応える

 もう1つイオンタウンふじみ野で注目したいのが、コロナ禍で感染リスクが懸念されるなか、人との接触を減らして買物ができるように、デジタルを活用したさまざまなサービスを提供している点だ。

 具体的には

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取材・文

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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