脱炭素社会に向け40%節電をめざすローソンが出店したモデル店、6つの取り組みとは
課題は太陽光発電の普及
川崎店では建物屋上に太陽光パネルを設置し、発電した電力の全量を店舗の消費電力にあてている。同システムはすでに2000店舗で導入済みで、1店舗当たりの総消費電力の約15%ぶんを創出できるという。
太陽光パネルの発電量は、エネルギーマネージメントシステム(EMS)によって本部でモニタリングできる。電力使用量や温度、湿度などを時刻別の棒グラフにして一目で確認でき、電気使用量と発電量の見える化を実現した。
以上の取り組みにより、川崎店では電気使用量の2013年度対比40%削減をめざすとしている。広報担当は「目標と位置づけつつも、40%削減は見込みに近い」と話す。今後は、同様の設備を取り入れた店舗をいくつか出店して検証を行い、2024 年3月以降はすべての新店での設備導入をめざす。既存店においても、2024年度以降の改装では設備導入を推奨していく予定だ。
最終的な目標であるCO2排出量ゼロに向けては、太陽光発電による電力の創出がカギになる。川崎店のような日当たりのよい平屋建ての店舗であれば十分な発電量が期待できるが、日射量の少ない東北地方や店舗屋上面積の少ない都心部の店舗では、太陽光パネルによる発電は効率よく機能しない。そのため、全店での普及が難しいのが現状の課題だという。