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京都市内4店目「ライフ四条大宮店」、若年層獲得と地域対応のための3つの施策とは

ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)は2022年9月28日、京都府京都市に「ライフ四条大宮店」(以下、四条大宮店)をオープンした。年間売上目標を約20億円に設定。1328㎡の売場に約1万3134のアイテムを揃える。同店の施策について解説をする。※文中の価格はすべて税抜

訪れたオープン日には多くのお客が押し寄せていた。

3つの施策を展開する四条大宮店

 四条大宮エリアは、交通アクセスの良さから20代~40代に人気があり、同店500m圏内では単身世帯が60.8%、2人世帯が19.9%と単身者・ニューファミリー層が多い。

 四条大宮店ではこれらの年代・世帯の持つ、家事の手間削減ニーズにこたえるため、ミールキットをはじめとした簡便商品や、健康志向の強い若年層向けに健康商品の品揃えを強化。加えて、「地のもの好き」「パン好き」のが多いという地元住民のニーズに対応した商品政策(MD)も展開している。

 本記事では、四条大宮店における「ミールキットの充実」「健康商品の品揃え」「地元住人の嗜好に合わせた品ぞろえ」という3つの施策について解説をする。

 

オーガニック商品を強化し、健康志向の高い若年層を取り込む

 まず、若年層の健康意識の高まりを受けて、オーガニック商品に注力。できるだけ化学調味料を使用せず、「オーガニック・ヘルシー・サステナビリティ」をコンセプトとするライフの自然派プライベートブランド「BIO-RAL(ビオラル)」がその核となっている。

 また、ドライフルーツの品揃えにも力を入れており、四条大宮店ではほかの店舗の約2倍のアイテム数で展開している。ビオラル商品とドライフルーツはそれぞれ、入口近くの場所で集約してコーナー化しており、お客に向けて強く訴求していた。

ビオラルコーナーは主通路に独立して展開。

 総菜でもビオラル商品を提案。「大豆ミートの雑穀弁当」(498円)や、「有機玄米と鮭ハラス塩麴焼の海苔弁当」(798円)など弁当を中心にヘルシーなメニューを展開している。これら付加価値型の総菜を販売することで、京都市内でも激化する価格競争からの脱却を図りたいねらいも透ける。

ビオラルシリーズの弁当が多彩に並ぶ。
食品添加物をできるだけ使用せず、やさしい味わいに仕上げている。

ミールキットや個食商品、即食商品を強化

 さらに注目すべきはミールキットの豊富さだ。商圏特性を意識し、野菜・畜産・鮮魚・冷凍食品コーナーでは、それぞれミールキットを多く取り揃えた。たとえば、畜産コーナーには、国産野菜とライフ独自開発のスープが入った鍋セットがずらり。「本格もつ鍋セット」(1880円)や「辛さ選べる激辛鍋セット」(1480円)などユニークな商品が並ぶ。

鍋のミールキットコーナーは毎年好評を博している。

 また、冷凍ミールキットでもビオラルの商品を多く揃え、主通路沿いのエンドにコーナー展開し、訴求する。「チキンボールのココナッツミルク煮」(598円)や「イカと厚揚げの豆鼓炒め」(498円)といった、ココナッツミルクやナンプラー、豆鼓など、単独では買いづらい素材を使用することで購買につなげるねらい。また、添加物を使用しない分、スパイスなどを使うことで味わいのインパクトを出した。

ビオラルの冷凍ミールキットコーナーはエンド通路で強く訴求。
冷凍ミールキットのなかでも「チキンボールココナッツミルク煮」は特に人気だという。

 野菜コーナーにはオイシックス・ラ・大地(東京都)の商品を展開する。四条大宮店出店に合わせて、京都市内の一部店舗で取り扱いを開始した。900円台後半から1000円台半ばと、高価格帯ではあるが売れ行きは順調だという。

 総菜含む即食商品にも注力。鮮魚コーナーには店内設置のスチームオーブンで焼き上げた「さば塩焼き」(298円)や「しまほっけ塩焼き」(298円)を。野菜・果物コーナーにはカットフルーツにやカット野菜のほか、「シャインマスカットのフルーツサラダ」(298円)といった果物を使ったサラダ、「果物屋さんのフルーツ杏仁」(398円)などのデザートなどを並べた。

即食商品をカラフルに並べる、野菜・果物コーナー。

 個食需要に対応した商品もバラエティ豊かだ。たとえば1人用鍋キット。398円という低価格で「ダシが決め手の牛もつ鍋」や「お肉たっぷりのカレー鍋」、総菜コーナーには小容量サイズの「トマトソースとチーズのカッペリーニ」(198円)や「ベジライスボール」(258円)などを用意する。

小容量サイズの総菜コーナーにもビオラルシリーズの製品が並ぶ。

地元住民の嗜好を意識した売場も

 地域住民のニーズをとらえた商品も各売場で展開する。とくに注目したいのは京都の名産品の充実ぶり。京都に住まう人は「地のもの」好きで「お決まりのお気に入り商品」があるとの見立てから四条大宮店を含む京都市内の店舗で導入している独自MDだ。すでに取り扱いのある他店での売上は順調。同店での売れ行きにも期待を寄せている。

 野菜売場では京野菜を集めたコーナーを独立。魚コーナーには京都卸売市場から仕入れた丸魚を揃え、調理スペースでお客の要望に合わせて下処理を施す。さらに、各コーナーには「西利」の漬物、「とようけ茶屋」の豆腐や湯葉、「パパジョンズカフェ」のパウンドケーキといった地元の人気店の商品のほか、名産の「京鴨」など、「京都のおいしいもの」を揃えた。

京野菜コーナーは入り口近くで訴求。

 また、京都府のパン消費率が日本一であることを受けて、パンコーナーの売上構成比は4.0%と、郊外店における2.0~3.0%と比べて高く設定をした。インストアベーカリーのアイテム数は93。店内にパン窯を設置し、随時ピザやナンなどの総菜パンを焼き上げる。

インストアベーカリーのコーナーでは、お客の目の前で焼き上がるピザが人気。

 ライフコーポレーションの京都市内への出店は、昨年9月にオープンした四条烏丸店に続いて、4店舗目となる。これまでは店舗空白地だった四条烏丸店と壬生店の合間である四条大宮周辺のお客を取り込み、年商目標約20億円の達成をめざしたい考えだ。

 

(店舗概要)
開店日 2022年9月28日
所在地 京都市中京区壬生賀陽御所町73-1
店長 池田雅昭
営業時間 9:30~24:00
店舗面積 1328㎡
取り扱い品目数 約13134
年商目標 約20億円
駐車台数 18台
従業員 正社員19人、パートナー73人