ロピアの青果MDに大きな変化? 独自調査で分かった「付加価値訴求」へのシフト
ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)の青果部門に、ある変化が見られている。競合を圧倒する価格訴求と、買い上げ点数の増加を意識した陳列手法を特徴とする同社の青果だが、直近の新店や改装店では、店内加工の比率を高め、付加価値とオリジナリティによって差別化を図ろうとする動きが見られるのだ。今回は、大型繁盛店モデルの起点になった「ロピア港北東急SC店」(以下、港北東急SC店)と、2025年2月にオープンした「ロピア横浜羽沢店」(以下、横浜羽沢店:いずれも神奈川県横浜市)の青果売場から、同社の戦略の方向性を探る。
店内加工比率を高め、より鮮度感ある売場へ
エリアごとに多少の違いはあるが、ロピアの青果売場は、単価アップをねらった大量目アイテムのボリューム陳列や、グレードの高い果物の訴求を柱としていることが多い。作業動線の効率化にも積極的で、売場とバックヤードが離れている店舗では売場に加工場を設けることで、スムーズな補充体制を整えている。
商品づくりにも変化が見られている。かつては市場で仕入れたそのままの状態で陳列することが多かったが、現在は自動パッキングや値付け機を導入し、店内加工比率を高めた鮮度感のある商品づくりを推進しているようだ。

直近の新店では、自動計量器を活用した量り売りや、スモーク状の冷気をあてる冷蔵ケースの導入などの試みも見られる。エリアによっては、生産者の顔が見える商品の紹介や韓国料理コーナーなど従来にはなかった新商品の展開も進めている。
このようにロピアでは単なる価格訴求からの脱却をめざし、付加価値の高い売場づくりを志向している。
買物需要を意識したこまめな売場づくり
今回調査した店舗の1つ、港北東急SC店の売場づくりを見ていこう。同店は横浜市営地下鉄「センター南」駅前のショッピングセンター「港北TOKYU S.C.」地下1階にある。半径200m圏内には、「スーパー三和港北店」「食品館あおばセンター南駅前店」「オリンピック港北ニュータウン店」などの中型の食品スーパー(SM)が集中しており、競争が激しいエリアである。その中でもロピアは高い集客力を発揮し、地域ナンバーワン店舗として支持されている。
まず特徴的なのはレイアウトだ。青果導入部は間口を狭く設け、それを通過すると、後に主通路と、作業場につながる壁面と、ルートが二手に分かれるような売場配置となっている。入口付近では視認性の高い演出で衝動買いを促す仕掛けがなされており、調査日は、野菜と果物を均等に配分した売場構成であった。
商品を見ていくと、野菜では「キュウリ」(5本入り299円:以下税別)、「トマト中玉」(8個入り399円)「国産アスパラガス」(1束199円、3束500円)のバンドル販売などが主力だ。また通路に沿って、とうもろこしやスナップエンドウも展開していた。購買頻度の高いキュウリ・トマトに、季節商品であるアスパラガスや豆類を並べる構成は、買い上げ点数の増加をねらったベーシックな手法である。
他方で、むやみな価格競争を避け、質を重視した商品提案に力を入れる姿勢も見てとれた。たとえば果物では、キウイフルーツやアメリカンチェリーを中心とした輸入果物を主力にしており、中心価格帯は1パック999円。1000円以上のアイテムもあり、価格ではなく量目や品質で訴求する方針がうかがえる。
オープンバックヤードに面したコーナーでは、ヘビーユーザーが多いバナナを集中的に陳列。ロピアが独自に契約栽培しているカンボジア産「ラブラブバナナ」(129円)など4SKUを店奥に配置し、回遊性を高めている。この回遊性を意識した売場配置は、他店ではあまり見られない、ロピアならではのポイントといえる。

また、壁面ではレモンを複数種類まとめ売りで展開するなど、リピーターの利用を意識した陳列となっている。以前は高単価アイテムを大量陳列してトライアル購買を促す提案が多かったが、現在の港北東急SC店では定番商品を充実させるなど、リピーター向けのこまめな売場づくりが目を引く。
野菜で特筆すべきは、
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