「売れるパッケージデザイン」を生み出すために必要な視点とは何か

編集プロダクション雨輝
取材:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

環境配慮とブランド価値の両立をめざす

 商品の魅力を伝えるパッケージデザインの多様化、折兼の提案型の事業拡大と並行して、食品包装資材の今後について梅澤氏は、「フードビジネスを支えながら、それをいかに持続可能なものにしていけるかが大きなテーマだ」と語る。こうした課題意識を背景に、同社では環境負荷を抑える取り組みにも力を入れており、これは食品業界内でも注目されている。

 その一例が環境配慮型のエコ容器だ。ただし、従来のプラスチック容器と比べるとコスト面と耐久性や性能面で劣るため、現時点では採用が十分に進んでいないのが現状だ。

 「食品トレーのリサイクル率は高まりつつ、われわれもメーカーや販売店と協力し推進していきたいと考えているが、それだけでは不十分。その他の選択肢を提示していく責任がわれわれにはあると考えている」と梅澤氏は説明する。一方で、社会全体の環境意識の高まりを背景に、環境配慮型素材やそのデザインは今後、食品パッケージの重要なトレンドになっていくと見ている。

 「パッケージデザインには、グラフィックデザインで商品の価値を的確に伝えるだけでなく、時代の変化に応じた持続可能性も踏まえた商品全体のデザイン力が求められている。消費者にとって魅力的でわかりやすいデザインと、環境配慮の両立が今後のフードビジネスのカギだ」と梅澤氏は強調する。「折兼では、デザインや売場での顧客接点の設計を通じて、ブランド価値の最大化と持続可能なビジネス基盤の構築をめざしていきたい」と展望を語った。

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取材

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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