全国の店舗を新業態に! チーズタルト専門店BAKE、初の大規模リブランディングのねらい

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

チーズタルト専門店から「チーズ菓子専門店」へ業態を転換

 そうしたなかでBAKEは、主力ブランド「BAKE CHEESE TART」のリブランディングを実施した。その背景には、前述のコロナ禍による顧客の購買行動や価値観の変化がある。1819年の出店ピーク後に成熟期を迎えていた同ブランドは、「自分向けのご褒美」として購入するこだわり消費の多様化へ対応する必要があった。

 BAKE取締役兼CEOの北村萌氏は、「ブランドサイクルの早い激戦区であるお菓子業界の中で長く愛され続けるブランドになるには、1つのブランドから1種類の商品を販売するだけでは、なかなか勝ち残れない」と説明する。

BAKE取締役兼CEOの北村萌氏

 そうした考えのもと、主力ブランド「BAKE CHEESE TART」のリブランディングを行った。従来は「焼きたてチーズタルト専門店」として1商品に特化する「1ブランド1プロダクト」戦略を掲げてきたが、今回のリブランディングでは業態を「チーズ菓子専門店」へと転換し、「チーズの魅力と可能性を多角的に探求するブランド」へと舵を切った。

 同社はこの新たな方針を「1ブランド1マテリアル」戦略と位置づけている。1つの素材を軸に、クッキーやスフレなど複数のチーズ菓子を展開することで、素材へのこだわりや専門性を維持しながら、商品ラインアップを広げる考えだ。

 この方針は「BAKE CHEESE TART」に限らず、ほかのブランドにも応用する予定だ。今後はオンライン限定ブランドの開発も視野に、年間2ブランド程度の新規開発や、既存ブランドの商品の拡充を進めていく。

 

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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