全国の店舗を新業態に! チーズタルト専門店BAKE、初の大規模リブランディングのねらい
焼きたてチーズタルト専門店を運営するBAKE(東京都/中野剛社長)は4月10日、ブランド創設11年目を機に、初めて大規模なリブランディングを行うことを発表した。企業ビジョンである「お菓子を進化させる」のもと、主力ブランド「BAKE CHEESE TART」をはじめ、商品展開、ブランドカラー、店舗設計までを全面的に刷新する。また、全国各地のBAKE CHEESE TARTの店舗をチーズ菓子専門店へと転換していく方針だ。そのねらいとは。

コロナ禍以降、成長戦略を再構築
2013年創業のBAKEは、14年2月に1号店の「BAKE CHEESE TART」をルミネエスト新宿(東京都新宿区)内に出店。現在、国内計10ブランド・86店舗を展開している。スイーツブランドの開発・販売を中心にしながら、オウンドメディア運営やEC事業も展開している。
総務省統計局の家計調査によれば、「ケーキや生洋菓子、ビスケット、チョコレートなどに対する年間支出額」は、20年の2万7620円から24年には3万3773円へと増加傾向にある。コロナ禍をきっかけにお取り寄せスイーツの需要が高まったことに加え、自宅での楽しみとして菓子を購入する消費スタイルが定着しつつあることがうかがえる。
そこで、BAKEはコロナ禍以降の中長期的成長に向けて、23年から「OMO戦略」「マスターブランド戦略」「顧客リテンション戦略」の3つの柱を成長戦略として掲げている。
まず「OMO戦略」(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)では、ECサイトを通じて顧客接点をデジタル分野で拡大し、リアルとデジタルを横断する一貫したブランドイメージの構築をめざす。具体的には、EC限定のブランドや商品を展開し、実店舗との相乗効果を図る。
2つ目の「マスターブランド戦略」では、これまでチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」、アップルパイ専門店「RINGO」、バターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」など、個別に展開していた事業ブランドを、コーポレートブランドの「BAKE INC.」のもとに集約する。これにより、「BAKE」というブランド自体の認知をさらに高めるねらいだ。ただし、今後も「BAKE」ブランドの下、消費嗜好の多様化に合わせたブランド開発も継続する。

3つ目の「顧客リテンション戦略」では、実店舗、SNS運用、メディアなど多様なタッチポイントを通じて顧客との継続的関係の強化を図る。また実店舗とECサイト「BAKE the ONLINE」で利用可能なポイントシステム「BAKE Membership Program」にデータを集約し、ブランド間の回遊促進や新ブランド開発に活用する。